横浜FCからベルギー2部のロンメルSKに移籍する斉藤光毅が1月10日、出発直前に意気込みを語った。ヨーロッパで活躍するプレーヤーの心意気として、カズから送られたのは「チームの幹になれ」という言葉だった。

上写真=斉藤光毅の魅力はこの弾ける笑顔。ベルギーでも楽しさあふれるプレーでみんなを笑顔にする(写真◎スクリーンショット)

「サッカーは楽しい」が原点

「本当に横浜FCには海外で挑戦している人がいっぱいいて、全員にいろいろな話を聞いて全部身に沁みました」

 横浜FCのチームメートには海外でもがいて成長した先輩たちがたくさんいる。その全員から話を聞いて、そのうち印象に残った言葉を一つ、挙げた。

「その中でカズさんには、『チームが一つの木だとしたら、枝ではなくて幹、芯になるような存在になっていかなければいけない。使われるよりも使う存在になって、自分主体のチームにできるような、そういうメンタリティーを持つように』と、実力もそうですけど、そういうことを言われて、これは忘れずに意識していこうと改めて感じました」

 開拓者の言葉が斉藤光毅の未来を導くだろう。

 今回の出発直前の会見の中でも「楽しむ」という言葉が何度も出てきた。プレーの面でも、新しい監督やチームメートとの関係についても、初めての海外生活についても、あらゆることを楽しみたいと愛くるしい笑顔で語るのだ。不安を楽しみで消してしまう素晴らしいハート、その原点はなんだろう。

「きっかけは、サッカーを始めたときからサッカーは楽しいと思っていて、それが昔からの自分の一番の強みです。サッカーを始めた頃からの気持ちを忘れないでやっていければいいと思います」

 不安はないわけではない。でも、心の真ん中にサッカーが楽しいという純粋な魂があれば怖くない。それは誰もが思っていてもなかなかできないことで、でも斉藤はここまでその思いで真っ直ぐに進んで道を切り開いてきた。それはベルギーに行っても変わらないということだ。

 プレーについては、すでにロンメルの試合映像を確認しているというが、「あんまり試合を見ても、自分はサッカー頭脳がないのか分からないです」と苦笑い。「やってみなければ分からないですし、言える立場じゃないけどいいサッカーをしていると思うので、自分が入ってより一層良くしていきたいと思います」と、あくまで実戦派であることを強調している。やってみなければ分からない、は、やってみれば分かる、と同義で、つまりやればできる自信がある、につながっていく。

「どのチームに行っても、自分の特徴であるドリブルや裏への抜け出しは相手の脅威になるので、特徴を存分に出すことだと思います。チームの戦術を理解してやっていけば、自分の役割は決まってくると思います」

 そうやってボールとともに自分を表現することで「自分のイメージですけど、サッカーをやっていれば自然と仲良くなると思いますし、日本にいる海外の選手もみんなそうでしたし日本人もそうです。サッカーをやって楽しみながら仲良くやっていけると勝手に思っています。手段はそのときそのときに考えてやっていきたいと思います」と、チームに溶け込むことに対しても自然体を貫くつもりだ。

 仲良くやっていくのはもちろん、選手として最高の結果を出すために必要だから。

「より一層、結果を求められていると思いますし、決定力やワンチャンスをものにするメンタリティーはもっとつけないといけません。フィジカルも強くして、技術もまだまだ足りないと思います。ストロングポイントも成長していかないといけないし、決定力もストロングにしていければいいと思っています」

 ヨーロッパの人々に比べれば日本人はどうしても体の大きさでかなわない部分はあるが、だからこその武器もある。小柄だが速い、そしてうまい、という特性を持つ選手が多い日本人の代表として、斉藤こそが希望の星になるのではないか。

「世界のトップレベルで、小柄でスピード系の日本人が活躍することが、そういう人の刺激になると思いますし、でもあまり自分の背中を見せようとかは気にせずに、自然と同じような選手が刺激を受けたらお互いに上に行けると思うので、自分は向上心を持ち続けてやっていきたいです」

 さあ、いよいよ新しいステージの始まりだ。楽しむことで切り開く19歳の未来予想図は希望に満ちている。

「1〜2年後にはA代表に入って、ヨーロッパ1部の強豪で活躍して、3〜4年後にはプレミアリーグの強豪に行って活躍したいと思います。チャンピオンズリーグの決勝で点を決めるのが目標なので、それを忘れずにやっていきたいと思います」


This article is a sponsored article by
''.