上写真=細谷真大の先制ゴールで日本は勝利をたぐり寄せた(写真は準々決勝から/Getty Images)
■2024年4月29日 U23アジアカップ準決勝(@ジャシム・ビンハマド)
U23日本 2ー0 U23イラク
得点:(日)細谷真大、荒木遼太郎
藤田が2アシスト!
5−4−1でブロックを築くイラクに対し、日本は序盤からボールを握り、多彩な攻めでゴールを目指した。左サイドは後方から大畑の支援を受けつつ、平河が何度も仕掛け、右サイドは山田、関根が崩しを狙う。中央からもインサイドハーフの荒木、松木が最終ライン手前でボールに触れてチャンスの創出を狙った。
相手は深く引いて守るのではなく、ミドルエリアからプレスをかけてきた。そのため、人数はいても背後にスペースが生じていた。日本はそこを見逃さなかった。28分、見事なプレーを重ねてネットを揺らす。
敵陣中央でボールを持った藤田が顔を上げて前方を確認。細谷がイラクのCBタシーンと駆け引きしてウェーブの動きでマークを外して飛び出したところに浮き球パスを届けた。
ボックス内でボールを収めた細谷は左回りでターンして追走してきたタシーンを外し、右足で流し込んでゴール。藤田と細谷の見事なプレーがつながって日本が先制ゴールを記録した。
42分、日本は再び見事なコンビネーションをみせる。敵陣左サイドで大畑が粘ってボールをキープすると、低く速いボールを中央へ送る。ボックス手前まで進出していた藤田がダイレクトで前方へパスを出すと、動き出していた荒木が受けて相手GKを見てシュート。日本が前半で2−0とし、リードを広げた。
後半の開始直後は、日本が前半の勢いそのままにチャンスを生み出していった。細谷、山田、松木がシュートに持ち込んだ。いずれもゴールを割ることはできなかったが、いい形でリスタートを切った。
60分すぎからは、イラクが4−2−3−1に変更。攻めにかかったときの人数を増やしたことで日本の守備機会は増えたが、冷静に対処。素早い切り替えとハードワークで失点することはなかった。
66分、左サイド深く運んだ平河のクロスを細谷がヘディング。シュートは右ポストを直撃し、ゴールとはならなかったが、攻撃機会を作りながら時計の針を進めた。
終盤はオープンな展開になったが、日本は集中力を切らさず、無失点で試合を終え、2−0で勝利。見事な戦いぶりでパリ五輪出場権をつかみ取った。
招集制限があり、欧州組の多くを呼ぶことができず、大会前は厳しい大会になることが予想されていた。だが、選ばれた選手たちがチームコンセプトである「攻守にアグレッシブに戦う」ことを全う。チームマネジメントの面でもローテーションしながら選手を起用し、8大会連続の五輪出場を決めた。
「ホッとしました。ただ、まだ1試合残ってますので、しっかり決勝戦を戦いたいと思います」(大岩監督)
決勝戦は3日、日本時間24時30分。U23ウズベキスタン代表と対戦する。アジア王者として五輪の舞台に上がることを目指す。
▼出場メンバー
・U23日本◎GK小久保玲央ブライアン、DF関根大輝、高井幸大、木村誠二、大畑歩夢(90+1分:西尾隆矢)、MF松木玖生(80分:川崎颯太)、藤田譲瑠チマ、荒木遼太郎(80分:佐藤恵允)、山田楓喜(73分:藤尾翔太)、平河悠、FW細谷真大(90+1分:内野航太郎)