背番号10は大きな責任を感じる苦悩を明かして、大会を終えることになった。堂安律は8月6日の東京オリンピックの3位決定戦でメキシコに1-3で敗れると、準々決勝と準決勝で攻撃陣にゴールが生まれなかったことを強く悔やんだ。だがここで下を向かずに、前へと進んでいくことを誓った。

上写真=堂安律も涙。攻撃陣が準々決勝と準決勝で得点を奪えなかった責任を背負いこんだ(写真◎Getty Images)

「本当に完敗だと思います」

「大会を通じて責任を感じています」

 3位決定戦でメキシコに1-3で敗れ、試合直後のフラッシュインタビューでそう話したのは、堂安律だ。この東京オリンピックでは6試合すべてに出場し、521分間プレー、グループリーグ第2戦のメキシコ戦で久保建英の先制ゴールを右からの折り返しでアシストし、相馬勇紀が奪ったPKを決めて、1得点1アシストを記録した。

 だが、背番号10を背負ったこの男には、それでは物足りなかった。

「(3位決定戦で)どこかでチャンスが来ると思いながら、チャンスをうかがっていましたけど、ベスト8に入ってから2試合は攻撃陣がノーゴールで、今日も1点しか取れずに、大会を通じて責任を感じています」

 南アフリカに久保のゴールで1-0で勝利、メキシコ戦では久保と堂安が決めて、フランス戦では久保、酒井宏樹、三好康児、前田大然と立て続けにゴールを奪った。しかし、準々決勝のニュージーランド戦は0-0からPK戦で辛くも勝ち抜き、準決勝のスペイン戦は延長の末に0-1で敗退、そしてこの3位決定戦では三笘薫が意地の一発を決めたが、そこまでだった。

「持てる力すべてを出したつもりですし、本当に完敗だと思います」

 メキシコは強かった。技術、フィジカル、試合運び、決定力、スタミナなど、日本を上回った。完敗を認めるしかなかった。

「代表として戦った以上、負けていい試合なんてないですけど、これから先に、この試合が自分のサッカーキャリアの大きな分岐点になったと言われるように、前を向いてやっていきたい」

 できるかできないかは自分次第。この敗戦でまた一つ強くなる決意がにじみ出た。


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