6日、男子サッカーの3位決定戦が行なわれ、日本がメキシコと対戦した。日本は開始早々のPK献上でリズムを失うと、前半で2点のビハインドを背負う苦しい展開に。反撃を試みた後半も、逆に追加点を許し、交代出場の三笘薫のゴールで1点を返すのが精いっぱいだった。日本はメキシコに53年前のリベンジを許し、4位に終わった。

上写真=試合終了後、ピッチに座り込み、涙を流した久保建英「こんなに悔しかったことはない」(写真◎Getty Images)

■2021年8月6日 サッカー男子3位決定戦(@埼玉スタジアム2002)
メキシコ 3ー1 日本
得点:(メ)セバスティアン・コルドバ、ホアン・バスケス、アレクシス・ベガ
   (日)三笘薫

・メキシコ代表メンバー:GKギジェルモ・オチョア、DFホルヘ・サンチェス、セサル・モンテス、ホアン・バスケス、ヘスス・アンフロ、MFルイス・ロモ、セバスティアン・コルドバ(78分:ロベルト・アルバラド)、カルロス・ロドリゲス(86分:ホアキン・エスキベル)、FWディエゴ・ライネス(57分:ウリエル アントゥナ)、エンリ・マルティン(86分:エドゥアルド・アギーレ)、アレクシス・ベガ(78分:フェルナンド・ベルトラン)

・日本代表メンバー:GK谷晃生、DF酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋、中山雄太(63分:三笘薫)、MF遠藤航(80分:三好康児)、田中碧(71分:板倉滉)、堂安律、久保建英、相馬勇紀(46分:旗手怜央)、FW林大地(63分:上田綺世)

早々のPK献上で流れをつかめず

 苦しい立ち上がりになった。日本が右サイドでボールを奪われて相手の逆襲を受ける形になると、遠藤がボックス手前でベガのボールを奪いにかかる。しかし、わずかに足を踏む形になり、相手が転倒。主審はPKと判断。難しいジャッジに思われたが、覆らず、コルドバにゴール左下に決められた。試合開始早々の13分に日本は思わぬ形で失点してしまった。

 集中していなかったわけではないだろう。ただ、PK献上につながる場面では『ボールを失わないはず』の久保と堂安が絡んだパス交換でボールを失い、なおかつ酒井も高い位置を取っていたために、その後の守備対応で後手を踏むことになった。流れをつかむ前に流れを失った格好。そしてこの失点から10分後。警戒していたセットプレーでさらに傷口を広げてしまう。

 右からのFK。コルドバが入れたボールは冨安を越え、頭から飛び込んできたバスケスに届いてしまった。前半のうちに2失点。リードを広げられた日本は、早々と攻めるしかない状況を迎えることになった。

 後半開始から相馬に代えて旗手を投入し、日本は攻めの形を模索する。しかし状況は変わらず、逆に58分には左CKからベガにゴールを決められた。旗手の投入でも流れを変えられなかった。加えて中2日で6試合目を迎え、どの選手からも疲労が見て取れた。それはメキシコも同じだったが、効率よく得点した相手と3点を追いかける日本では、精神的な疲労が違う。日本は3失点を喫した直後の63分に、中山に代えて三笘、林に代えて上田と2人を同時投入。ここでようやく攻撃の形を作り始めることになった。

 68分には三笘のパスを受けた上田がペナルティーアークから右足シュート。名手オチョアの好守に遭ったものの、この日一番の決定機をつくった。その後も立て続けにシュートを放ち、ゴールへの意欲を示す。ようやくその思いが実るのは、78分のことだった。

 独特のドリブルでメキシコ守備陣に脅威を与えていた三笘がボックス左で久保からパスを受け、縦に持ち出す。相手DFを置き去りにすると、ニア上にシュートを叩き込んだ。

 だが、反撃はここまでだった。結果は1-3。日本の完敗だった。

「選手たちはこのオリンピックに向けて育成年代のところからずっと頑張ってきてくれて、直近のところでも毎日いい準備をしてくれて、個の良さを出しながらチームとして戦って行こうということ、チームでやろうとしていることをみんなが頑張ってくれていた。監督として、選手の頑張りを結果につなげてあげられなかったことが非常に残念に思います。そしてわれわれのサッカーを期待してくれていた方々に、喜んでもらえる結果が出せなくて非常に残念に思います」

 森保一監督は選手の頑張り、努力を結果に結び付けられなかったことを残念がった。例えば大会を通じて遠藤と田中のボランチコンビは代えの利かない存在だったが、負荷がかかり過ぎたことは否めない。DFの板倉と中山はボランチ兼任だが、ともにDFでプレーする機会が多く、代わりのボランチとして機能することは難しい状況があった。結果、疲弊した2人のボランチのパフォーマンスの質を保つことも難しくなった。故障者など予測不可能な面はあったにせよ、ボランチの負荷を予想できていなかったことは悔やまれる。


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