東京五輪代表(U-24日本代表)の森保一監督が11日、U-24ホンジュラス戦の前日会見に臨んだ。静岡合宿を終え、昨日大阪入り。明日、ヨドコウ桜スタジアムで行なわれる試合では、チームとして戦い方の確認と共有を図りたいと話した。

上写真=静岡合宿では森保監督が選手に頻繁に声をかける姿が見られた(写真◎山口高明)

ノーマルフットボールの先へ

 明日12日に臨むホンジュラス戦のテーマを問われた森保監督は、「オリンピックに向けてチームが始動し、昨日までキャンプという形で準備してきた中で、攻守のコンセプトの確認という部分で選手たちがピッチ上で共有してくれることを、まずは見ていきたいと思っています」と話した。

 5日に始まった合宿では、ミニゲーム中にプレーを止め、局面局面の選択について指揮官自ら選手に確認を促す場面も見られた。新たなものを習得するというより、これまで積み重ねてきたものを再度、意識させるアプローチ。いよいよ本番が近づいていることを感じさせた。

 ホンジュラス戦は、チームとして共有すべきものをピッチで確認することになる。ボールにアプローチする角度と連動性。攻守の切り替え。ボール奪取後の選択。選手それぞれの立ち位置。フィニッシュゾーンでの動き方。もちろん相手の出方を踏まえつつ、それらを瞬時にチョイスし、実践することがチームには求められる。

「対戦相手であるホンジュラスは、個々の力が非常にしっかりしている。フィジカル的にも強く、技術的にも優れている選手が多い印象を受けました。そういった意味でもオリンピック本大会、メキシコ戦などを考えると、まずわれわれも個々の局面で相手を上回っていくことを試合の中で確認していきたいし、選手たちにも確認してもらいたいと思っています。かつ、われわれの良さでもある組織的に戦うというところ、連係・連動の部分を、強度を強く戦ってくる相手との対戦で、選手たちには確認して感覚を合わせてほしいなと思っています」

 本大会は酷暑の中で連戦が続く。コンディションの維持も、好結果を出すための大きなポイントだろう。

「今、練習をやっているこの暑さよりも、オリンピック本大会はもっともっと暑い中で戦わないといけない。無駄な体力ロスはない方がいいと思っています。そういう意味で、できるだけボールを保持して戦うということ、ボールを保持しながら相手を動かすことができれば、有利な戦いになる。もちろん選手たちに働きかけていますが、ボール保持だけに走らないように気をつけないといけないとも思っています。これまでやってきた攻撃にしても守備にしても、優先順位をしっかり考えるということが大事」

 酷暑を意識するあまりに、優先順位を誤ってはいけない。つまりは臨機応変なプレーが重要ということだ。

「攻撃であるならば、いい守備をして、奪った時点で出来るだけ相手ゴールに向かってプレーするということを、パスの受け手も出し手もしっかり意識すること。縦に速くプレーするのは優先順位の第一に持っておかなければいけない。それがあって縦に行けなかった場合に、横であったり後ろを使いながらボールを保持して、相手のディフェンスラインを崩していく。守備にしても同じで、まずはボールを失った後、これまで同様に早くボールを奪い返すことができれば、奪い返しにいく。そうすることでまた自分たちがボールを保持できる。ただ切り替わった瞬間にボールを奪いにいけなければ、これまでやってきた通りにコンパクトブロックを作って相手の攻撃を限定していく」

 極めて当然のプレー選択を指揮官は選手に求めている。

「暑いからといって単純に体力を温存して戦うのではなく、やはりアグレッシブに戦う、チャレンジするということは大前提になる。その上で少し試合をコントロールできる状況になったときにはコントロールしていく。これまでやってきたことを優先順位を持って発揮できるようにしたい。何か特別なことをやっているわけではないので、ノーマルフットボールをしっかり実践できるように。相手にとって嫌なことができるように、したたかに戦っていけるようにという部分では、夏場の戦いをノーマルフットボールからプラス、試合の状況に応じてしっかり発揮できるように賢くプレーしてほしいと思います」
 
 指揮官が一貫してチームに求めてきたのは、対応力や修正力だ。当たりまえのことを当たり前にできた上で、機に臨み時に応じたプレーができるかどうか。ノーマルフットボールの先へ到達できなければ、大会は勝ち進めない。

 チームは明日12日にホンジュラス戦を戦い、17日にスペイン戦に臨んで、22日に大会初戦、南アフリカ戦を迎える。積み重ねてきたものが試される審判開始まで、あと11日ーー。


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