上写真=相馬勇紀はACLに参戦したタイから戻ってきたが、疲れも見せずににこやかに語った(写真◎スクリーンショット)
「また攻撃のフェーズに戻ってきた」
東京オリンピックという大勝負を前に、相馬勇紀はこれまでのフットボール人生を振り返る。
三菱養和での12年間。「技術も育ててもらって、スピードという特徴を活かすための武器も教えてもらいました。それがいまの自分の特徴になっています」
早稲田大での4年間。「特に人間性を学ぶことができました。人間としてどうあるべきか。私生活からプレー中の仕草まで教えてもらいました」
そしてプロ。「最初は風間(八宏)監督の下でボールの受け方、止める蹴るの質を教えていただきました。マッシモ(・フィッカデンティ)監督からは一人でボールを取りきる力や走力、ポジショニングを細かく教えていただきました」
こうして、「オリンピアンとしての相馬勇紀」がつくりあげられた。そして、いま。
「最初の12年間で攻撃や自分の特徴を教えてもらってきて、それから人間性や守備の部分で成長してきて、今年は自分の中で得点やアシストを意識しています。振り返ると、また攻撃のフェーズに戻ってきたのかなと感じました」
ACLでタイに渡り、中2日の6連戦という過酷なグループステージを戦い抜いて、首位通過で帰国した。すぐにU-24日本代表に合流し、休息を取りながら徐々にコンディションを高めて「オリンピック仕様」に整えている途上だ。
「今日が合流して4日目になるんですけど、1日目は移動で丸1日かかって、翌日は回復する時間をいただいて一度リフレッシュできました。昨日から体を動かす作業に移行して、(ACLで)連戦を戦っていたのでキレはよくて、あとはオフ明けなので息を上げたりする作業に入っている段階です」
つまり、好調だということだ。7月12日のU-24ホンジュラス代表とのテストマッチもプレーできる状態にあると、心身ともにみなぎらせる。
1周回って、また攻撃へ。積み上げた時間がアタックの場面で力となって、東京オリンピックという最高の舞台で解き放たれるときが、ついに来る。
「金メダルを取らせるプレーをしたいです。アタッカーなので特徴は1対1ではがすことですし、守備で戦えるところも自分の特徴です。目の前の相手とのマッチアップで絶対に勝つことをベースにして、チームのために戦って、得点やアシストをしていきたいと思います」