日本代表は現地17日、カタールW杯前最後の強化試合を戦った。戦前から森保一監督はケガ人の回復状況の見極めとコンセプトの確認をテーマとしていたが、いくつかの収穫と変わらぬ課題を手にすることになった。

上写真=ボランチで先発した田中碧。ケガからの復調を示した(写真◎Getty Images)

■2022年11月17日 国際親善試合(アルマクトゥーム/UAE)
日本 1-2 カナダ
得点者:(日)相馬勇紀
    (カ)スティーブン・ビトリア、ルーカス・カバリーニ

画像: 交代:日本◎浅野→上田綺世(46分)、酒井→山根視来(46分)、久保→堂安律(46分)、、田中→鎌田大地(67分)、板倉→長友佑都(67分)、南野→吉田麻也(85分) カナダ◎ブキャナン→オソリオ(60分)、アデクグベ→ラリア(60分)、ハッチソン→ケイ(60分)、ジョンストン→ウォーターマン(71分)、ラリン→カヴァリーニ(71分)

交代:日本◎浅野→上田綺世(46分)、酒井→山根視来(46分)、久保→堂安律(46分)、、田中→鎌田大地(67分)、板倉→長友佑都(67分)、南野→吉田麻也(85分) カナダ◎ブキャナン→オソリオ(60分)、アデクグベ→ラリア(60分)、ハッチソン→ケイ(60分)、ジョンストン→ウォーターマン(71分)、ラリン→カヴァリーニ(71分)

アディショナルタイムにPK献上

 試合の立ち上がりは日本が攻勢に出た。相手を押し込み、高い位置でボールを回収しては連続攻撃につなげた。8分にはこの日、ボランチで先発した柴崎からの浮き球パスに右サイドで先発した相馬が反応。最終ラインの裏に飛び出して相手GKよりも早くボールに触ると、見事にネットを揺らした。

 だが、日本が攻勢の時間は長くは続かなかった。徐々に前でボールを回収することができなくなり、後手に回るケースが増え始める。とりわけ相手の右サイドハーフ、ブキャナンの仕掛けに手を焼き、CKを何度も献上。そしてゴール前に送り込まれたボールを簡単にはじき返すことができず、相手に先に触られるケースが目立ち始めた。

 21分には相手の右CKの場面で失点してしまう。そもそもセットプレーの機会を与えすぎたこと、そしてその対応については、課題が浮き彫りになったと言える。

 日本は次第にボールを運べなくなり、プレスをかわされる場面も散見した。吉田は「行くときと行かないとき、つなぐときとそうでないときの判断」についてチームとして共有しなくてはいけないと振り返った。森保一監督が求めてきたはずの対応力が、カナダ戦のようにメンバーの顔ぶれが変わると発揮できない。このことは9月遠征のエクアドル戦でも指摘された部分だ。課題は、改善されていなかった。

 遠くを見ることのできる柴崎の展開力や前半後半でサイドを変えてプレーした相馬の機動力、左サイドバックとCBでプレーした伊藤の利便性。それに加えて故障明けの板倉、この日が実戦復帰戦となった浅野、田中らにプレーの目処が立ったことは朗報と言える。さらに鎌田のボランチ起用もテスト。大会前最後のテストマッチにはいくつもの収穫もあった。

 ただ、手放しで喜べることばかりではなかったのも事実だ。アディショナルタイムには山根がPKを与えて、カナダに勝ち越しを許す。本番を想定すれば、勝ち点1を取り切るべきシチュエーションで、取り逃したことになる。

 森保監督は、「勝てなかったのは非常に残念。W杯本番に向けて勝利と引き分けという良い形で来ることができていたが。本番を考えれば色んな想定ができる。選手はダメージを負ったが、次に向けてのやるべき準備は勝っても負けても変わらない。みんなで考えながら本番を迎えられることをポジティブに考えたい」と試合を振り返った。

 日本はカナダ戦で少なくない収穫と、変わらぬ課題の両方を得た。6日後のドイツ戦で、この日手にしたものの意味がはっきりする。


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