上写真=旗手怜央はU-24ガーナ代表戦では78分からトップ下でプレー。次のジャマイカ戦で攻撃的な姿勢をぶつけていく(写真◎JMPA増田泰久)
みんなギラギラしている
J1では最強を誇る川崎フロンターレの旗手怜央であっても、驚きは隠せなかった。
U-24日本代表の一員として臨んだ6月3日の日本代表とのテストマッチ。「史上初の兄弟対決」と注目された一戦は、選手たちにとっても強烈なインパクトを残し、特に「弟」から見ると「兄」との差を感じないわけにはいかなかった。
旗手は川崎Fで開幕後は左サイドバックにコンバートされ、その後インサイドハーフで出場することが増えた。この日本代表戦は久々に左サイドバックとして先発、78分までプレーした。
「まず自分が想定していた、イメージしていた以上の強度を感じました。最近はフロンターレでサイドバックでは出ていなくて前めのポジションでやっていたので、前に出たい思いもあったけど、Jリーグではあまり経験できないようなプレー強度だったなと感じました」
これがハートに火をつけた。
「A代表と試合して、いままでで一番かはわからないけれど相当悔しかった試合で。あれを自分の中でアベレージに、あれ以上のアベレージにしていかないといけないと思いました」
中1日で迎えたU-24ガーナ代表戦では78分に久保建英に変わってピッチへ。そのままトップ下に入った。
「オーバーエイジやA代表を経験している選手が何人かいるけど、やっていて楽しいですし、盗めるところがたくさんあります」
サイドバックとして、攻撃的なMFとして。旗手の強みはここにある。どちらのポジションもこなせる器用さは、18人しか登録できないオリンピックのメンバー入りには有利に働くはずだ。
「A代表とはサイドバックでやって、ガーナ戦はトップ下で、どこでも自分らしい、あれは旗手怜央だなと思えるようなプレーをしたいと思います。オリンピックのメンバー入りもかかっているのでみんなギラギラしているし、みんな残りたい気持ちが強いので僕自身も勉強になるし、オーバーエイジがいることでチームが良い方向に向かっていると感じています」
ポジションはどこであっても、「攻撃の選手なので」という自己分析。だから「攻撃の質を上げないといけないと思っています」と自分にタスクを課す。メンバー選考のための最後の試合となる6月12日のジャマイカ代表戦で、「攻撃的旗手怜央」を披露してみせる。