上写真=瀬古歩夢が持っているすべてをアルゼンチンにぶつけて、自分のいまを測る(写真◎JFA)
「本番が近づくにつれて全員が引き締まっていく」
瀬古歩夢にとっては、国際試合は久々だ。2019年12月のU-22ジャマイカ代表とのテストマッチ以来となるが、今度は強豪のアルゼンチンが相手。強気なセンターバックにとっては楽しみしかない。
「国際試合は緊張感もありますし、球際の部分や一つひとつのバトルに対してきつくいかなければいけないので、より緊張感を持ってやらなければいけない」
「(アルゼンチンは)個の部分ですごい選手が揃う中で、日本としては組織力で守る感じですけど、局面は個人ですから、自分自身がどこまでやれるのか楽しみなところです」
今季はセレッソ大阪で堂々のディフェンスリーダーだ。昨季、ともにプレーしたマテイ・ヨニッチと木本恭生が移籍でチームを去り、必然的に瀬古が守備を統率することになった。それが成長の大きなきっかけになっている。
「昨年、一緒にやっていた2人がいなくなって、昨年からプレーしているのは自分しかいないのでリーダーの風格は芽生えますし、今季7試合やって来ましたけど、そういう部分を出せていると実感しているので、いいことかなと思っています」
精神面が充実すれば、プレー面でもぐんと伸びていく。
「守備の対人の部分では昨年より自信がつきましたし、今回はそういった部分をこの合宿でアピールしていければいいと思っています」
成長の実感をぶつけるには、アルゼンチンは最高の相手だろう。手加減する必要がない。
「自分より体の大きな選手と戦うときは、駆け引きを意識しています。体をぶつけたり、行くか行かないかとフェイント入れながら探り探りやっていければいいと思っています」
「守備もそうですけど、特徴は攻撃の部分でもあるので、縦パスや攻撃のスイッチを入れるパスを出していけたらいいと思っています」
その先のオリンピック本戦も見据えていくと、やはりこのアルゼンチン戦が分岐点になるだろう。昨年末のキャンプに参加したときにはいなかった海外組も今回加わって、サバイバルへの意識は当然研ぎ澄まされていく。それに、今回はフル代表での活動に参加している冨安健洋という絶対的な存在もいる。
「海外組が加わることで質がより変わってきますし、雰囲気は前回に比べて引き締まった感覚があると感じます」
「本番が近づくにつれて全員が引き締まっていくのがあるというのを感じています」
6月と7月に2試合ずつ、親善試合の予定が組まれているが、ここはもう本番へ向けての最終チェックの場だと考えられる。そうだとすれば、このアルゼンチン戦の重要性がどれほどまでかは想像がつくだろう。
「世界のディフェンダーを見ると、体つきもっとしっかりしないといけないと思います。誰も自分を抜けないようなディフェンダーにならないといけないし、攻撃の部分での質にもこだわっていかなければいけない」
改めて、いまできることをすべて、アルゼンチンにぶつける意欲だ。
「なかなか世界の強豪国と対戦できる機会もないので楽しみですし、自分がどれだけできるのかを見ることができたらいいなと思っています」