22日から始まった東京五輪世代の国内組による『U-23日本代表候補トレーニングキャンプ』で、積極的にアピールしているのが金子拓郎(札幌)だ。右サイドからの仕掛けとシュートで、自らの未来を切りひらこうと臨んでいる。

上写真=初招集の金子拓郎は自身の持ち味を出し切る覚悟で合宿に臨んでいる(写真◎サッカーマガジン)

ここでアピールできなければ次はない

 北海道コンサドーレ札幌での活躍が認められて、初招集のチャンスを得た。3-4-2-1を採用する所属チームではシャドーでプレーすケースもあるが、主にアウトサイドが主戦場だ。これまで五輪代表でも同フォーメーションを採用することが多く、金子もアウトサイドで起用されるものと思われたが、合宿初日、2日目とゲーム形式の練習では4-2-3-1でトレーニング。金子は2列目の右サイドでプレーした。

「普段コンサドーレでやっているときとは全然違うので、距離感や周りの選手の特徴が分からないために少し難しい部分もありました。ただ、特長を出すというところではそれは関係ないと思うので、まずは自分の特長を出すことにフォーカスしています」

 戸惑いがないと言えば、うそになるが、合宿は5日間しかない。悠長に構えてはいられない。素早くアジャストして、持ち味を発揮することが肝心だ。

「代表に呼ばれたのは自分のストロングポイントであるドリブルや突破力を評価してもらったからだと思っています。そういうところを代表でも出せれば」

 23日午後のトレーニングでは切れ味鋭い突破からのクロスやシュートでアピールした。

「(自分は)初招集ですし、五輪まで時間がない中で、ここでアピールできなければ次はない。残りのアピールする日数は限られているので、この合宿で少しでもアピールできればと思っています」

 現在はコロナ禍にあり、来年もスケジュール通りに準備が進むか分からないことを踏まえれば、国内組だけとはいえ、今回の合宿は貴重な機会だ。金子拓郎がどんなプレーヤーなのかをしっかりアピールしておく必要がある。次につなげるために、金子は全力でプレーしている。

「去年までだったら五輪は全然、届かないものでした。今年1年の活動が評価されて呼ばれたことで、以前よりは目指せる場所になったかなと感じます」

「海外組も一杯いますし、今回は川崎(フロンターレ)とガンバ(大阪)の選手は呼ばれていません。その中で初めて呼ばれた自分は、立ち位置的には一番下だと思っています。この合宿が最初で最後くらいの気持ちで臨んでいる。そこでうまくアピールできれば、もしかしたら次につながると感じています。まずは自分の特長を出していくことを意識してやりたい」

 届かないと思っていた場所に、たどり着けるかもしれない。スタートラインには確実に立てた。その先に進めるかどうかは自分次第だ。合宿2日目、金子のプレーには、そんな強い思いが見て取れた。


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