上写真=小川航基はパラグアイ戦に続くゴールを虎視眈々と狙う(写真◎青山知雄)
「とにかくゴール前に放り込んでもらう」
10月10日のテストマッチで、小川航基がパラグアイから奪ったゴールは記憶に新しい。
先制されたあとの26分、攻から守への素早い切り替えで取り返したボールを預かると、振り向きざまに右足を振って強烈なドライブショット。GKロベルト・フェルナンデスの手を弾いてゴールに飛び込んだ。
「日本で初めて得点できて、やっぱり特別な瞬間だったし、もっともっと代表選手として試合に出て得点を重ねたい思いが一段と強くなったゴールだったのかなと思います」
11月シリーズでその思いを結びつけたい。ガーナとボリビアというタフな相手からゴールを奪えれば、本大会への大きなステップになるだろう。今回の活動では1トップに適性のある選手が5人選ばれている。小川の他に、前田大然、上田綺世、町野修斗、そして初代表の後藤啓介だ。
「フォワードに求められるのは得点。苦しいときにチームを助けられるのはやっぱり得点で、ならばストライカーだということで、こういうふうにたくさん招集しているのはそこが求められてる証拠だと思う。そこに対しては人一倍強い自信と、自分が得点を取るんだっていう熱い気持ちを持ってこの2試合に挑みたいと思います」
常に自分が最もゴールを取れる男だと公言してきた。パラグアイ戦の力強いフィニッシュはその証拠だ。そして、新たなライバルとして、後藤も加わってきた。ジュビロ磐田の「後輩」に当たる。
「面識自体は一緒に同じチームでシーズンを過ごしたことはなくて、彼が中3のときにキャンプでちょっとやったぐらいだったんですけど、ジュビロは結構ユースと交流があるので、彼が小さいときに僕と撮った写真を見ましたけど、僕自身もジュビロから出て、彼もジュビロからということで、うれしさもありますし、もちろん一人のライバルとして、しっかりと僕の価値をこの代表で示していかないといけないなっていう思いですね」
小川を見上げていた「後藤少年」と同じ舞台に立つ。刺激がないわけはない。後藤も自信を口にするタイプで、小川と同じだ。
「そういうメンタリティーは感じますし、プレーを見ていてもそういう選手なんだというのは感じます。それがフォワードとして必要不可欠、絶対的に必要な要素だと思うので、僕もギラギラしてこれからもやっていきたいなと」
そしてライバルであると同時に、ワールドカップ優勝を目指す仲間でもある。
「彼(後藤)もそうですし、僕も(上田)綺世にしろ、フォワードはみんなクロスからのアタックに対して強い印象があります。そういう選手が中に入ったときは、周りの選手にボールをとにかくゴール前に放り込んでもらう数を増やしていけば、自ずと得点は増えるんじゃないかなと思っているので、チームとしてそういう狙いが出ればいいかな」
ショートパスできれいに崩すゴールだけがゴールではない。小川は186センチ、上田が182センチ、町野が185センチ、そして後藤は191センチ。「パワフルなクロスからの豪快ヘッド」を日本の新しい武器にしてみせる。
