サッカー日本代表は14日、『キリンチャレンジカップ2025』でブラジル代表と対戦する(19時30分開始/@味の素スタジアム)。名将カルロ・アンチェロッティの指導によって立ち直り、苦しみながらも南米予選を突破して北中米ワールドカップ出場権を獲得した。3年ぶりの来日を果たした『セレソン』は、どんなチームなのかーー。

日本戦『無敗』の継続に自信

画像: 無敗継続に自信を示したブルーノ・ギマランイス(写真◎青山知雄)

無敗継続に自信を示したブルーノ・ギマランイス(写真◎青山知雄)

 アンチェロッティ監督は日本戦に向けた前日会見の壇上で、こんなことを言っていた。

「ブラジル代表の選手たちが持っている個々のクオリティによって『Joga bonito』、つまり美しいフットボールになるわけだが、『Jogabonito』を構成するのはクオリティだけではない。『Joga bonito』にはボールを持っている時のプレーだけでなく、ボールを持っていない時のプレーも含まれるのだ。美しいフットボールをするには、チームとしての組織的な動きや約束事も重要であって、ボールを持っていない状況でも素晴らしいプレーができれば『Joga bonito』なのだと解釈している」

 イタリア人でありながらブラジルのフットボール文化に対しての深い理解と広い解釈を併せ持っていることがよくわかる発言だった。ただ自由に、華麗な足技を披露すればいいのではない。現代サッカー界では創造性と機能美を両立してこそ勝つことができ、それも美しいサッカーと捉えうるのだ……と。

「私が求めているのは、バランスの取れたチームの基盤を大事にすることだ。何よりもまずチームの勝利のために全員が身を捧げ、責任を持つという姿勢が大切になる。このチームの献身と姿勢は本当に素晴らしい。実際、ボールを持っている時も、ボールを失った時も同じように戦えている」

 百戦錬磨の指揮官はチームづくりの進捗に対する手応えも口にした。選手を代表して記者会見に臨んだブルーノ・ギマランイスも「W杯に向けてモチベーション高く、いいパフォーマンスを見せられている。個々のプレーだけでなくチームとしても4-2-4や4-3-3など監督が試合ごとに選ぶシステムをどれもうまくこなせている。正直言って、今はとても幸せで感謝しているし、これからも継続していきたい」とアンチェロッティ監督に心酔しているようだった。

 なお、日本戦のスタメンについては多くのブラジルメディアが「韓国戦からの変更はGKのみではないか」と伝えている。コリンチャンス所属のGKウーゴ・ソウザがセレソンデビュー濃厚だ。アンチェロッティ監督は記者会見の中で今回の2連戦が「いろいろな選手を試す実験の場」であると述べて先発メンバーの入れ替えを示唆していたが、最小限の変更という情報は12日に韓国で行われた練習の内容をもとにしているという。もし報道が真実であればヴィニシウスやロドリゴ、カゼミーロら主力のスター選手たちが味の素スタジアムのピッチに立つ可能性が高く、サムライブルーの選手たちにとっても貴重な機会になる。

 W杯本大会に向けて戦略の幅を広げていくためのテストの機会にもなる一戦で、イタリア人名将率いるブラジル代表はどのような顔を見せてくれるだろうか。ブルーノが「大変申し訳ないが、この記録はこのまま続けさせていただきたい」と自信たっぷりに語った日本戦の無敗記録(13試合、11勝2分)を伸ばすことができるかにも注目したい。

文責◎舩木渉


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