上写真=前日練習でランニングする南野拓実(写真右から2人目◎撮影・青山知雄)
パラグアイ、ブラジルはすごくいい相手
発する言葉に、勝利に対する強い思いがにじむ。
「前回は1敗1分け。勝てていない。今回はホームだし、勝ちにこだわりたい。特に初戦は。ブラジル戦はより難しい試合になるのが分かっているので、そこはワールドカップに向けて自分たちより格上のチーム相手にどういうふうに挑んで戦うか。何か得られるものがあればいい」
南野の指摘通り、日本はメキシコ、アメリカと対戦した9月シリーズで未勝利に終わった。しかもノーゴール。さらに、さかのぼって見ると、に日本とFIFAランキングで同格や上位国との対戦では、なかなか得点できない状況が続いている。
東アジア勢と対戦した7月のE-1選手権、さらに6月にW杯アジア最終予選で6−0で勝利した格下インドネシアとの対戦を除いた場合、6月のアウェーのオーストラリア戦は0−1、3月のホーム、サウジアラビア戦も0−0のドローだった。
「(9月は)2試合ともゼロで終わった。しかも自分たちと同じぐらいレベルの相手に勝ち切る力を示せないとワールドカップに向けては不安が残る。そういう意味ではパラグアイとブラジルはすごく良い相手。こういう相手から点を取らないと。僕も攻撃の選手なので、そういう力を示さないとワールドカップではやっていけない。重要な試合になる」
アメリカ戦もメキシコ戦も、もっと言えばオーストラリア戦やサウジアラビア戦もチャンスがなかったわけではない。チームとして課題になったのはラストパスの精度、そしてフィニッシュの正確性だった。
「メキシコ戦では僕も打てるところを打たずに、そのまま潰されたり、シュートが上に越えてしまった。最後の質は個人的にこだわらないといけないし、フィニッシュの質…(得点への鍵は)監督が言うところ一つかなと、とらえています。パラグアイ戦ではこだわりたいし、あとはシュートで終わってCKやGKになったとしても、そこからカウンターを受けないという意味で、最後までやり切るのがチームとして大事なこと。質を上げていければ」
仮にパラグアイに敗れるようなことになると、2019年にアジアカップ決勝でカタールに1−3で屈し、続く親善試合でコロンビアに0−1と敗れた以来の『連敗』となる。
「ゴールが決まる時はボール来る前に『こういうふうにシュートを打とう』『トラップはどこに置こう』とかイメージができている。そこのスムーズさを上げていく。あとはチームとしては常に言っていますけど、最後のパスの質、その場面に持っていく回数をどれだけ増やせるか。チームとして試行錯誤していくことが、ゴールの確率を上げる」
その後に強豪ブラジルとの試合(14日)が控えているため、主軸を担う南野に出場機会が訪れるかどうかはわからないが、パラグアイ戦も重要な一戦であることに変わりはない。W杯優勝を目標に掲げるチームとして、きっちり課題を克服し、内容を伴った勝利で「不安」を払拭したいところだ。
