サッカー日本代表は12日、EAFF E-1選手権の中国戦に臨み、2−0で勝利を収めた。代表3試合目で初めて先発のピッチに立った佐藤龍之介は前半から積極的にプレー。チーム最年少とは思えない存在感を示した。

上写真=右シャドーで先発した佐藤龍之介。69分までプレーした(写真◎Getty Images)

セットプレーのキッカーも務める

 右ウイングバックではなく右シャドーとして先発した佐藤龍之介は、ビルドアップに積極的に加わり、チームの攻撃を活性化してみせた。これまで2度、代表のピッチに立っていたが、いずれも途中出場。今回はスタートからプレーし、その力を随所で示した。

「代表のコンセプトとして、シャドーがウイングバックの間に落ちていくことは鎌田(大地)選手とか久保(建英)選手もやっていて、そこは意識してやりました。原大智選手と僕とがどっちがそれやるかって言ったら、僕のほうがそういった特徴を持っていると思うので、そこはまずまずやれたんじゃないかと」

 狭いエリアで前を向くスキルとゴールへの意欲が光った。この日がデビュー戦だった原と2シャドーで並んだが、18歳の若者は『代表の先輩』として自らの役割を理解し、仲間の特徴を生かすことに心を砕いていた。CKやFKのキッカーを務め、35分には右足で強力なシュート、前半終了間際の44分にも田中聡のパスに抜け出して右足を振り抜くなど印象的なシュートを放っている。原に代わって入ったジャーメイン良と2シャドーを構成した後半には左にプレーエリアを移し、同じ役割を担った。

「(左ウイングバックの)俵積田(晃太)選手をしっかりとサイドで張らせて、そこにいいパスを供給するためとか、ジャーメイン選手は右のほうがいいかなとか、そういういろいろな組み合わせがあって(左でプレーした)。
 ハーフタイムに(長友)佑都さんが『あそこのスペースでフリーになれるし、タワラの特長をもっともっと出すプレーをしよう』というコミュニケーションが取れていた。彼(=俵積田)の特徴はやっぱりサイドのドリブルなので、そこは意識しました」

 後半、左から攻める形が増えたのにも理由はあった。

 ゴールもアシストも、目に見える形では結果を残すことはできなかった。それでも佐藤にとっては代表出場3戦目は最も自らの特徴を出せた試合と言えるのではないだろうか。

「(前半から)前の3人で連動する動きは意識していて、自分がその中心になろうと意識していました」

「(チームの)中心でやりたかったし、やれたかと言われたら『はい』とは言えないですけど、今日出たメンバーはやっぱり即興ですし、そういったところでやっぱり自分が作りながら、それがコミュニケーションになって、どんどんどんどん繋がっていく。それが僕が試合に出た一つの意味かなと思います」

 自分が試合に出た意味を理解し、自らの価値を知る。その意識はすでに代表定着を目指したアピールという段階にない。チームを勝たせる存在になることへ向けられている。


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