上画像=香港戦に臨む日本代表の先発予想布陣
J1から中2日でプレーする選手も
Eー1選手権の初戦、香港戦の2日前に集合したメンバーは当初の発表から川﨑颯太が移籍準備のために参加を辞退。西村拓真は直前のJリーグの試合で脳震盪になり、参加を見送った。
代わって田中聡、原大智がそれぞれ追加招集されたが、7日の前日練習には間に合わず。チームは24人でトレーニングを行ったが、この練習は試合前日ということもあり、冒頭15分のみの公開だった。
根拠となる『要素』は極めて限られるものの、ここでは初戦に臨む11人を予想してみたい。今大会は日程が詰まった中で3試合を行うため、初戦出場者が2試合目を休み、3戦目の韓国戦で再びプレーする可能性が高いが、その点も踏まえて予想した。
GKについては、前回のEー1選手権で招集した3人のGKをそれぞれ先発させたが、今回も同様の起用法になると思われる。初戦はピサノ幸冬堀尾と予想。徐々に対戦相手が強くなることを踏まえると、一番若く経験の浅いピサノに、プレッシャーはかかるものの、初戦のゴールマウスを任すのではないか。
最終ラインは3バックで構成。右から綱島悠斗、荒木隼人、古賀太陽とした。A代表で1キャップを持つ古賀は2019年のE-1でプレー。そして荒木は2022年のE-1で1キャップを刻んだ。所属する柏では古賀が中央を務めるが、左サイドバックでもプレーできる万能性を持つ選手であり、一方で荒木は広島で中央のプレーが基本。ここは荒木が中央、古賀を左にした。また、綱島はJ1の最近4試合は中央でプレーしているが、基本は右CBを務めており、問題なくプレーできるだろう。植田直通、安藤智哉らは2戦目以降に出場するのではないか。
2ボランチは稲垣祥と川辺駿のコンビ。ともに久々の代表復帰となる今回の活動だが、代表の基準を知る2人にチームのハンドリングを任せることになる。指揮官は攻守両面に積極的に絡むことを期待しているはずだ。
両翼は、右ウイングバックを久保藤次郎と予想。他の候補としては佐藤龍之介を挙げられるが、後述する1トップとの相性を考慮して久保を先発に据えた。久保も佐藤も5日のJ1公式戦でフル出場しており、国外移動もある中、中2日で試合に臨むのはかなり厳しいものがある。ポジションが消耗激しいウイングバックであることを踏まえれば、ある程度、プレー時間を考えながら2人を起用する形になるかもしれない。
一方の左ウイングバックは長友佑都が先発を務め、途中から俵積田晃太がプレーするのではないか。こちらも右と同様、先発とサブが逆になる可能性もあるが、5日のJ1の試合では2人とも途中出場。比較的、先発した選手を長めに起用することになりそうだ。キャプテン長友が久々に代表のピッチに立つかもしれない。
2シャドーは右が宮代大聖、左が相馬勇紀と予想。右は中村草太もおり、宮代は湘南戦、中村も岡山戦と直前のJ1の試合でネットを揺らし、気持ちよく代表に合流した。2人ともその試合でフル出場、どこまでコンディションが戻せるかは起用のポイントで、前節J1で出場機会のなかった大関友翔を先発起用させる可能性もある。ただここはリーグ戦で8ゴールを記録している宮代を先発とした。中村や大関は先発するなら2試合目以降ではないか。左のシャドーは今季7得点6アシストと好調な相馬が務める。直前のJ1では85分までプレー。疲労は心配だが、スタートを任せると予想した。
1トップには垣田裕暉を据えた。目下、J1の首位に立つ柏を支えるタフなFWは国際舞台でも「戦えるところを示したい」と話し、前日練習後の取材でも初戦から全力で臨むと意気込んでいた。しっかり準備ができている様子で、得点はもちろん、献身的な守備でチームを波に乗せたいと語っていた。
森保一監督は6日に行われた公式会見で「W杯のアジア予選からメンバーが変わっている。その中でも勝利を目指して戦い、大会の優勝という所を目指して戦っていきたい」とコメント。また、「代表チームとしてこの大会でのパフォーマンスと経験が、選手とチームのレベルアップにつながるよう、そして来年のW杯へ向けてこのE1選手権でプレーした選手が日本代表の戦力として成長してもらえるようにと考えて、この大会に臨んでいる」と成長も誓っていた。
大会の趨勢を決めるという点でも重要な初戦に、日本はどんなメンバーで臨むのか。注目の香港戦は日本時間8日、19時24分にキックオフとなる。
取材・文◎佐藤景(現地)
