日本代表は25日、埼玉スタジアムで北中米ワールドカップ・アジア最終予選の第8節・サウジアラビア戦に臨む。日本は前節で北中米W杯出場を決めたが、相手は現在グループCの3位でストレートで出場権を得られるかどうかの瀬戸際に立つ。激闘必至の一戦に臨む日本代表の先発メンバーを予想した。

上写真=サウジアラビア戦に臨む日本代表の先発予想布陣

2ボランチは遠藤&田中、途中からは4バックも?

 すでにW杯出場権を手にしたものの、日本はサウジアラビア戦も全力で勝ちにいく。同試合はワールドカップ予選という公式戦であり、その勝敗がFIFAランキングのポイント算出に大きく影響するからだ。年末のW杯組分け抽選会のポット分けがランキングを基に決められることを考えれば、当然ながら敗れて減算されるようなケースを避けなければならない。

 こうした事情を踏まえれば、ケガ人の出ているポジションは当然変更が必要だが、これまで積み重ねてきたものをベースとしながら、あくまで『試せる部分のみを試す』というスタンスでサウジアラビア戦に臨むのではないか。前日会見に登壇した森保一監督は、「バーレーン戦からの先発では2人がケガして離脱しているので、2人以上変える」と話し、「勝利を目指す部分ではこれまで通りチームで結果を求めて戦いたい」と試合に臨む姿勢を説明した。

 フォーメーションは、引き続き最終予選で採用してきた3−4−2−1と予想。GKは今回も鈴木彩艶が務めるだろう。最終予選で見せてきた安定したセービング、さらに攻めの第一歩として機能するロングキックは飛距離と正確性が抜群。今のチームに欠かせないものだ。

 3バックは伊藤洋輝、板倉滉、高井幸大で構成するとみる。伊藤は負傷による長期離脱から2月15日に復帰したばかりで、バーレーン戦でフル出場していることは気がかりだが、伊藤でスタートして途中で中山雄太にバトンを渡す形もありだろう。中山はまた左ウイングバックでもプレー可能だ。一方の右CBは高井幸大か。瀬古は6節の中国戦、7節のバーレーン戦で先発を経験しているが、高井はまだ1節の中国戦に途中出場したのみ。今回は高井を長い時間起用するとみる。ボールの持ち出しや鋭い縦パスを前線に届ける特徴を発揮することが期待される。

 また、試合展開次第ではあるが、4バックへの可変も考えられるだろう。右ウイングバックに菅原由勢、あるいは関根大輝が入り、1列下がって右サイドバックとなり、そのままスライドして中央の2CBは板倉と高井で構成、左CBの伊藤(中山)が左サイドバックになる変化ならスムーズに機能しそうだ。あくまで勝利優先だが、相手とのフォーメーションの噛み合わせや展開によってテストできるのであれば、そろそろ4バックもテストしておきたいところだろう。

 両ウイングバックは右に伊東純也、左は中村敬斗とした。三笘薫はコンディション不良で24日の前日練習に参加せず(ホテルで静養)。6節の中国戦で先発した両翼がここでもう一度、スタートからそろうと予想する。中村はその中国戦に関して、「結果を残せなかった」と振り返っていたが、同時に「次こそは」との意欲も口にしている。ホームのオーストラリア戦で見せた切れのあるドリブルの再現を期待したいところだ。右の伊東は前述の中国戦で2アシストを記録し、20日のバーレーン戦でも久保建英のゴールをアシスト。サウジアラビア戦でもゴールに直結する決定的なプレーを求めたい。

 2ボランチは遠藤航と、バーレーン戦で守田に代わって後半から出場した田中碧だろう。守田が不在の中、他のボランチ候補としては藤田譲瑠チマ、旗手怜央、鎌田大地らが挙げられるものの、遠藤&田中は6節の中国戦で90分間、コンビを組んでおり、コンビネーションという点から考えても、やはりこの2人が先発すると読む。ただし、最終予選未出場の藤田が途中で出場する可能性もありそうだ。

 2シャドーは前節のバーレーン戦で63分に交代した南野拓実と、その南野に代わって途中出場して先制ゴールを記録した鎌田のコンビと予想する。前節フル出場していないため、中4日で迎えるサウジアラビア戦も良好なコンディションで迎えられるはずだ。2人はこれまで2節バーレーン戦、3節サウジアラビア戦、5節インドネシア戦でコンビで先発しており、連係面に問題はない。鎌田は前回のサウジアラビア戦で先制ゴールを記録してもいる。

 7節バーレーン戦でハイパフォーマンスを披露した久保建英が先発する可能性ももちろんある。しかし今回は出場するにしても相手の足が止まる後半の仕留め役を担うのではないか。これまで最終予選においては2連戦のうち1試合で先発、もう1試合は途中から(もしくは休養)という流れだった。今回もその流れを続けると予想した。

 上田が不在の1トップは前田大然だろう。代表合流直後は負傷もあり、別メニューだったものの、サウジアラビア戦の出場に関して「大丈夫」と本人は明言。守備の局面でその高速プレスによって相手のビルドアップを阻み、ロングボールに対しても素早いプレッシャーで蹴り役を封じ込める役目を担う。そして攻めに転じれば、ショートカウンターのフィニッシャーとして今季セルティックで見せる好調ぶりを発揮することになる。三笘欠場なら左サイドでの起用もあり得るが、今回はスタートから1トップとしてピッチに立つと読む。

 上田に代わって前線でポスト役を担い得るのは町野修斗だが、ボール保持志向の強い相手に対して、前田のスピードとプレス能力が極めて有効であり、町野は出場するにしても途中からになるのではないか。また、同じ1トップ候補の古橋亨梧については、1月に移籍したレンヌでまだ先発が1試合で3試合に途中出場のみ。ゴールからも遠ざかっており、出番があるとしても途中からだろう。

 相手はアウェーゲームとはいえ、ストレートでW杯出場に行く権利をつかむべく、並々ならぬ覚悟で試合に臨むはずだ。そして日本もまた、出場権を手にしたものの、前述したとおりに全力で勝利をつかみにいく理由がある。タフなゲームになるのは間違いない。注目の試合は明日25日、19時35分にキックオフとなる。

取材◎佐藤景


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