3月20日のバーレーン戦で、北中米ワールドカップ出場を世界最速で決めた日本代表。続くサウジアラビア戦に向けて3月22日にトレーニングを行った。バーレーン戦の勝利の立役者、久保建英は1年3カ月後の本番を見据えて、目の前の勝負に集中する。

上写真=久保建英が本番に向けていまから見据えるものとは(写真◎サッカーマガジン)

「最低限のスピードが大事」

 ワールドカップで優勝したいと言っているチームの戦い方ではない。

 3月20日のバーレーン戦に2-0で勝って8大会連続回目のワールドカップ出場を決めたあと、久保建英は率直にそう感じていたという。特に前半は相手の守備の狙いに巻き込まれるように攻撃が停滞した。それでも久保は、66分に鎌田大地の先制ゴールをアシストし、87分には追加点も決めて、ゲームの主役になった。

「そう考えると、やっぱりもう少し上のチームと強者としての戦い方をやっていきたい」

 うまくいかない中でも粘り強く失点をゼロのまま時間を進めて、相手が緩んできたタイミングを逃さずにゴールを決める。そんなゲームマネジメントができたこともチーム力の高まりを示すが、まだ足りないという。久保の考える「強者としての戦い方」とは?

「ボールを支配することがすべてではないと思いますね、僕個人の意見としては。でも、基本的に強いチームの試合を見ていると、だいたいこのチームが勝つだろうなと思って皆さん見てるじゃないですか。ワールドカップで優勝を目指すと言うならば、そういったものがまだ日本代表には足りないのかなと個人的には思います」

 勝利のオーラを全身にたたえ、その通りに勝つ。それはどうやって身につければいいのか。世界最速で予選を突破して、本番までには1年3カ月もの時間がある。久保はそこで何をすべきかを問われると、2つのことを挙げた。

「まずは当たり前のことになりますけど、個々のレベルを上げてしっかり自チームで活躍すること」

「あとは(テストマッチの)対戦相手も、優勝したいなら僕らがお願いする立場になると思うんですけど、難しい相手にどんどん打診をしていかなければいけないのかなと思います」

 そこでひらめいたのが、あの国との対戦だった。

「モロッコ代表はワールドカップでベスト4に入ったりして、いま考えうる中で一番いい相手というか、僕らが明確にチャレンジャーとして戦える、すごくいい相手かなと思います。いまばっと思いついたんですけど」

 カタール・ワールドカップではクロアチア、ベルギー、カナダとのグループステージを1位で突破し、ラウンド16でスペインを、準々決勝でポルトガルを破ってベスト4へと大躍進を遂げた国だ。ヨーロッパ勢がネーションズリーグなどの日程でテストマッチを組みにくい現状の中では、さすがのチョイスである。

「強いチームと試合をして、強いチームにどうはまるのか、何が足りないのか、というところで修正をしていくのは、より大事になってくると思います」

「楽しみというか、自分たちの現在地を知ることのできるいいチャンスだと思うので、僕としてはいい試合ができればいいかなと」

 モロッコに限らず、強敵とのマッチメークは必須である。そこで久保が個人的に伸ばしたいのは「最低限のスピードは大事なのかな」。クラブシーンでも鍛え、さらに日本代表の中心選手としても強国と勝負することでレベルを上げて、2026年の本番を迎えるつもりだ。


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