11月19日の北中米ワールドカップ・アジア最終予選第6戦で、日本はアウェーで中国を3-1で下して5勝1分けと独走している。アジアで敵なしといった状況だが、久保建英はその先の世界を見据えて「シャドー」の可能性を楽しんでいる。

上写真=久保建英(右)が小川航基(左)の先制点をアシストして喜び合う(写真◎Getty Images)

​​■2024年11月19日 北中米W杯・アジア最終予選6節(観衆45,336人@廈門白鷺スタジアム)
中国 1-3 日本
得点:(中)リン・リャンミン
   (日)小川航基2、板倉 滉

ピッチの狭さにびっくり

「とにかく狭かったですね」

 久保建英もびっくりだった。中国がピッチの横幅を狭くした可能性があって、実際にプレーしてみるとその窮屈さに戸惑ったというのだ。

「たぶん、テレビで見ているより相当狭くて、相手もスライドを意識して広いピッチであってもここ何試合かはそのスライドの力でしっかりカウンターで点も取っている。それがより狭くなってくると、本当にヨーロッパでやってるチームより早いというイメージも僕の中でありましたし、ちょっとびっくりしましたね」

 横幅を狭めることによって、ピッチの幅を埋める選手が、日本の攻撃に対して左右に移動する距離が短くて済む。右のシャドーに入った久保も苦しめられたし、39分に先制ゴールを奪うまではチーム全体でスムーズさを削られることになった。

 そこで久保が組み込んだ工夫が、同じシャドーの南野拓実と左右を入れ替えること。立ち位置を流動的にすることで相手の混乱を生んでいった。

 さらには得意のカットインからのシュートが生きた。右から中に入って放ったミドルシュートはGKに阻まれるのだが、ここで得たCKから先制ゴールが生まれた。

「(カットインから)何回か中村(敬斗)選手に出してたんですけど、3本目だったのでシュートを打ってみようと思って。いいコースに行ったんですけど、キーパーがナイスセーブして、でもその後のセットプレーが練習通りに決まってよかったです」

 この左からのCKを中央に送ったのが久保。左足で蹴ったアウトスイングのボールを小川航基にピタリと合わせて、ヘディングのゴールを呼び込んだ。

 この11月シリーズでは特に、3-4-2-1システムの「2」、つまりシャドーのポジションを多くの選手が担ってきた。インドネシア戦では南野拓実、鎌田大地、三笘薫、伊東純也、旗手怜央がプレーした。17日の練習では、南野、鎌田、旗手、三笘、中村、藤田譲瑠チマ、久保、伊東、堂安律、田中碧が入った。そして、中国戦では久保と南野のコンビでスタートし、鎌田、前田大然が交代でプレーしている。日本の新しい可能性がここにあることを示しているが、もちろん久保はその筆頭である。

「シャドーは基本的にうまい選手がやっていて、シャドーの選手がゲームを作るのがいまの 代表のやり方」

 久保もその競争に手応えを感じている。

「ボランチの選手と連携して、今日は守田(英正)選手はいなくていつもとは違う形になるかなと思いましたけど、代わりに入った選手もビルドアップのところでいいくさびのパスを何本もつけてたと思います。誰が出てもやれることを証明できたと思います」

 これで5勝1分けと独走状態となって、ワールドカップ出場に王手をかけた。まずは出場権を確実に手にして、そこからさらに日本の攻撃力を高めるために、久保をはじめとしたタレントが豊富なシャドーの可能性にワクワクが止まらない。


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