上写真=11日、インドネシア・ジャカルタで行われた練習に参加した藤田譲瑠チマ(写真◎佐藤景)
谷口選手の分も頑張りたい
10月シリーズに続き、今回も藤田は代表に名を連ねた。遠藤航が体調不良でメンバー外となったオーストラリア戦(10月15日)ではベンチ入りも果たしたが、自身の立場を冷静に受け止めている。
「自分自身は危機感もあるし、安心感はない。この遠征もしっかりと、まずはチームの結果を求めながら自分のできることだったり、自分の見せられることを全力でやっていきたい」
現在の日本代表のボランチは遠藤航、守田英正が不動の存在で、そこに田中碧が続き、さらに鎌田大地や旗手怜央らボランチでプレー可能な選手がそろう。藤田が出場機会を得るには、彼らを凌駕する必要がある。
藤田は長短のパスや前線に積極的に絡むプレー、さらに危機察知能力とボールを刈り取る力には自信を持つ。さらに戦況に応じて「バランスを整える」ことができるのも特長だ。本人もその点を自覚している。
「あの2人(遠藤と守田)に加えて碧くんもチームで凄く調子いいし、そこで自分に何ができるかと言われたら、バランスを見るところ。あの人たちの(いいところを)部分的に取ったのが自分。バランスの良さが戦える武器になると思う」
いまはまだ「部分的」かもしれない武器を、より強く大きくできれば自ずと出番はやってくるだろう。所属するシント=トロイデンVV(STVV)でもその作業に意識的に取り組んできた。同じSTVVに所属する谷口彰悟が代表活動直前の試合で負傷し、離脱を余儀なくされたたが、今回はそんな谷口の思いも背負って代表に合流している。
「(クラブでも)活躍していたというか、支えてもらっていたし、代表でも大きく貢献していた選手なので凄く悔しそうな表情をしていた。その分も頑張りたい」
11月シリーズは通常よりも試合の間隔が1日少ない、中3日で行われる。アウェーでの連戦でもあり、この2試合でより多くの選手を起用することも考えられるだろう。すなわち、藤田に出番が訪れる可能性もある。
「自分もチームの一員として戦いたいという気持ちはあるし、出場の機会があるときのために、いい準備ができたらと思う」
いつ何時、チャンスが訪れても力が発揮できるように。
藤田は心技体、そのすべてを整えている。