日本代表は15日、埼玉スタジアム2002(19時35分開始)で北中米W杯・アジア最終予選に臨む。相手は監督がトニー・ポポヴィッチに交代したばかりのオーストリア代表。3連勝中の日本はどんなメンバーで臨むのか。先発メンバーを予想した。

上画像=オーストラリア代表戦に臨む、日本代表の先発予想フォーメーション

体調不良で遠藤は前日練習を欠席

 前節、アウェーのサウジアラビア戦は9月のバーレーン戦と同じスターティングメンバーだった。結果、過去3戦全敗だった地で2−0の快勝。歴史的な勝利を飾った。

 最終予選3連勝で迎える今回の試合は、1勝2敗で対戦を迎えた前回予選のホーム、オーストラリア戦とは趣が随分と異なる。チームには大きな自信と、ある意味で余裕があるのは間違いないところだ。

 ただし、森保一監督も選手たちも「まだ何も手にしていない」と口をそろえる。これまで通り、万全を期したメンバーで勝利をつかみにいくと思われる。アウェーのサウジアラビア戦から中4日。選手に疲労がどれだけ残っているかわからないが、ベースとなるのは9月のホームゲーム、7−0で大勝した中国戦のメンバーではないか。ただし、一点のみ手を加える可能性がありそうだ。遠藤航が体調不良で前日練習を欠席した。

 JFA関係者によれば、明日の出場については現時点でわからないとのこと。ただ、14日はホテルで静養しており、ここで出場を強行をすることはないだろう。サスペンションやケガなど今後も遠藤不在の状況は起こり得る。キャプテンの不在を前向きにとらえ、不測の事態に向けたシミュレーションの機会としたいところだ。

 フォーメーションは今回も最終予選の第1戦から継続している、3−4−2−1で臨むと思われる。相手も同じフォーメーションであり、ミラーゲームになる可能性もあるが、それぞれが個で上回ればいいわけで、三笘薫も「後ろで数的優位作りながらビルドアップできるかっていうところもそうだし、マンツーマンでも1人剥がせばチャンスになると思うんで、わかりやすいと思います」と話していた。

 GKは鈴木彩艶で決まりだろう。無失点を続ける守護神が今回もゴールマウスに立つことになるだろう。勝手知ったる埼スタでのパフォーマンスに期待がかかる。

 DFは3バックで右から板倉滉、谷口彰悟、町田浩樹。安定した守備を見せている3人は互いに補完し合う関係が築けており、オーストラリアのロングボールにも十分に対応できる高さを備える。盤石の3バックが引き続き、最終ラインを構成するはずだ。

 ドイスボランチの一人は守田英正が務めるだろう。現チームの中心であり、外せない選手だ。守田と組むのは、田中碧。守田と田中は前回予選のホーム、オーストラリア戦でともに先発し(遠藤を含めた3センターハーフだった)、中盤の構成力をアップさせた。川崎フロンターレ時代から互いをわかり合う関係にあり、コンビを組むことに何の問題もない。

 ここ最近の試合で守田が担ってきたシャドーの選手とポジションを入れ替えながら攻めに厚みを加える役割を今回は田中が担い、守田はやや守備に軸足を置きながらバランスを取る形になるのではないか。前半からハードワークして、田中、あるいは守田が途中から鎌田大地、藤田譲瑠チマにバトンを託すリレーも考えられる。

 ウイングバックは、右が堂安律、左は三笘薫と予想した。堂安は前節のサウジアラビア戦で前半は右ウイングバック、後半からシャドーを務め、88分間プレーした。疲労を考慮して今回は伊東純也がスタートを担い、堂安は途中出場になる可能性もあるが、シャドーに入る選手との関係を考えて、堂安を先発、後半から伊東と予想。もう一方の左には三笘が入り、点差が開いたら早めに中村敬斗や前田大然につなぐとみる。

 2シャドーは右が久保建英、左は南野拓実とした。右の久保は右ウイングバックの堂安とポジションを入れ替えながら攻撃を活性化し、ゴールチャンスを生み出す役割を担う。中国戦では2人の流動的なプレーが大量得点の一つの要因になっていた。サウジアラビア戦で好調だった鎌田の連続起用も十分に考えられるが、今回は久保がスタートでピッチに立つと予想する。

 左シャドーの南野は守備面で見せる強度に加え、密集でボールに触ってビルドアップに加わり、そこから積極的に裏に飛び出すプレーがチームの中で効いている。第二次森保体制のスタート時はメンバーに選出されていなかったが、昨年10月に10カ月ぶりに復帰すると、所属クラブで好調を維持していることもあり、再び欠かせない存在になった。オーストラリア戦でもゴールに絡むプレーが期待される。

 1トップは上田綺世だろう。前節、チームに貴重な2点目をもたらした小川航基にも先発の可能性もあるものの、南野や久保ら周囲とのコンビネーションを考慮すると、先発は上田ではないか。相手のビルドアップの形に応じて周囲と連係してプレスを実践できる点も、上田の特長であり、ファーストディフェンダーとしても外せないだろう。

 最終予選4連勝がかかる15日のオーストラリア戦。キャプテン・遠藤不在で戦う可能性もあるが、逆に言えば、日本の層の厚さを発揮するチャンスでもある。人ありきの属人的なチームではなく、誰が出ても戦力を落とさないことが、森保一監督が繰り返し口にしている理想のチーム像だ。ワールドカップで上位に進出する重要な要素でもあり、その点でも明日の日本の戦いぶりは注目される。

取材・文◎佐藤景


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