現地10日のサウジアラビア戦後にチャーター便で帰国した日本代表が12日、千葉県内でトレーニングを行った。完全アウェーの試合ではベンチ外だったものの、初めてW杯の最終予選を経験した藤田譲瑠チマは大きな刺激を受けたという。代表定着へ決意を語った。

上写真=12日の練習。ボール回しで笑顔を見せる藤田譲瑠チマと名波浩コーチ(写真◎佐藤景)

本当にボランチ2人のレベルが高かった

「6万人のアウェーサポーターの中で試合をしていた選手たちは、ほんとに羨ましかった。自分もピッチに立ちたかったというのが正直なところですけど、まずは自分と向き合って、しっかりとレベルアップすることを考えながら、次もいい準備できたらいいなと思います」

 今回、2年ぶりに代表の招集された藤田譲瑠チマだったが、アウェーで行われたサウジアラビア戦はベンチ外。出場する機会はなかった。

 外から試合を見て、どんな感想を持ったのか。とくに同じボランチのポジションである遠藤航と守田英正のプレーについて。

「本当に2人のレベルが高かった。でも自分も早くそこで戦わないといけないという思いが強いので、越えないといけない壁ではありますけど、しっかりと足元を見ながら頑張りたい。
 チームでも同じフォーメーションでやっていますし、そんなに戦い方にも違いはないので、試合に出たらという思いもありますけど、やっぱり2人は個人で剥がすところであったり、守田くんに関しては1点目のチャンスのシーンに出ていってアシストにつなげたプレーだったり、そういったプレーは求められている。スキがあったら飛び出すプレーも意識的にやりたいと思っています」

 トレーニングの中でレベルの高さを体感し、サウジアラビア戦を近くで見て改めてボランチ2人の凄みを実感した。田中碧やボランチでプレーできる鎌田大地など、現在の代表は層が厚い。そこに割って入っていくのは簡単ではないが、状況を十分に理解したうえで藤田は言う。

「自分が出たときにはどういうことができるかをイメージしていましたし、常に試合に出たときに結果を残せるように準備したい」

 試合後には名波浩コーチを話し、「『何々してほしい』というところは、自分が思っていたところと違う部分もありましたし、そうだなと自分が思っていたことと同じようなところもあった」と、さまざまな気づきがあったと明かした。

 さらに「(今回)参加してからも何回か話させてもらいましたけど、『ここにしっかりしがみつけ』」と言われ、決意を新たにしたという。

 パリ五輪で証明した通り、狭いエリアを通すパスや巧みなボールの持ち出しでプレッシャーラインを突破するプレー、相手のカウンターの芽を摘み取る能力には特筆すべきものがある。

「自分もまずはしっかり選ばれ続けることは大事だなという考えもあるので、名波さんの言う通りしっかりしがみつきつつ、自分の良さを出していけたら」

 今回の活動で、日本のトップレベルの中に身を置き、大いなる刺激を受けた。次は、藤田がチームを刺激する番だろう。その機会はきっと、それほど遠くないーー。


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