上写真=3日、日本代表のトレーニングで汗を流す小川航基(写真◎サッカーマガジン)
カタールW杯を見て「俺は何をやってるんだろう」
代表FW陣の中で、求められる役割や自身の武器について聞かれたときだった。
「僕自身は今、日本にいる中で僕が一番点を取れると思っている」
ビッグマウスでもリップサービスでもない。小川はストライカーとして、自身の武器を「得点を取ること」だと言い切った。昨季は海外初挑戦ながらオランダ・エールディビジで11得点(31試合)を挙げ、2ケタ得点を記録。
そこにあるのは、まっすぐな自信に違いない。加えて、小川は自分自身を進化させることにも、どん欲だ。
「前回、ワールドカップで(前田)大然がすごいプレッシャーを掛けたり、いろいろな戦い方をしていた。大然のプレッシャーやディフェンスの強度を僕が出すことができれば、なおかつ点を取ることができれば、世界一や日本サッカー界の壁を乗り越えられる一つの大きな要因になる。そこを僕がしっかり担っていけるようにしたい」
日本代表のFWとして求められる守備力や強度を高めたいと言った。目指すべき姿は、すでに小川の中にはっきりとある。
「僕ができるプレーはゴールが一番だと思っているし、チームが苦しい状況やチームがどうしても点が欲しいときに僕の力が必ず必要になってくると思う。そういうゴールで日本代表をいい方向に持っていければいいと思います」
小川は31日のフォルトゥナ・シッタート戦で鮮やかな右足ボレーを決め、今季初ゴールをマーク。先制点を奪って敵地での3−0の勝利に貢献した。自身初となる最終予選でも目に見える形で結果を出すつもりだ。
「前回のワールドカップで(日本代表が)負けたときに誓いました。『俺自身、何やってんだろう』っていう感情にもなったし、みんなが奮闘して日本サッカーの壁を越えられなかった姿をテレビの前で見ていて、『次は俺がやる。ゴールを決めて勝たせる』と強く誓ったことを覚えています。そうなっていけるようにしっかりとやっていきたい」
ワールドカップを「僕がつかみ取りにいかなければいけない」とも言った。センターフォワードは日本代表の中でも激戦区の一つだが、小川は予選突破に貢献して、今度は自分が「特別な」舞台に立つと誓っている。