日本サッカー協会(JFA)は24日、6月に行われる北中米ワールドカップ・アジア2次予選、6日のミャンマー戦(@ヤンゴン)、11日のシリア戦(@広島)に向け、日本代表のメンバー26人を発表した。同時期にパリ五輪代表(U23日本代表)はアメリカ遠征を行うが、同世代である久保建英と鈴木唯人はA代表に招集。会見に登壇した山本昌邦ダイレクターは2人について、クラブと交渉した結果、「現状は、パリ五輪に出場できない」と状況を説明した。

上写真=2年半ぶりにA代表の活動に参加することになった鈴木唯人(写真◎Getty Images)

伊東純也は「落ち着いてプレーできる状況が整ってから」招集

 すでに最終予選進出を決めている日本は、6月の2試合を9月にスタートする最終予選に向けた「重要な機会」として臨む。

 発表されたメンバーでは、鎌田大地が2024年になって初めて招集された。所属するラツィオで監督交代を機に出場機会を増やし、調子を上げていた。森保一監督は「チーム勝たせるプレーを見せている」と評価。今回の活動でもスコアを動かすプレーに期待を寄せている。ほかにもケガにより3月の招集が見送られていた冨安健洋、旗手怜央らが復帰。指揮官は最終予選に向けて「これまでのコンセプト、戦術の確認と進化」を図りたいとした。

 また、今回のメンバーにはU23代表(パリ五輪代表)の久保建英、鈴木唯人が招集された。久保はすでにA代表の主軸を担うが、鈴木は国内合宿が行われた22年1月以来、2年半ぶりの招集となった。

 U23代表が同時期にアメリカ遠征を実施するが、同代表ではなく、A代表に招集した理由について、会見に出席した山本昌邦代表ダイレクターは「サムライブルーが最優先ということは基本中の基本。今回、U23の鈴木唯人もこちらに入っています。久保、鈴木唯人に関しては長い時間をかけてU23の招集についてクラブと交渉してきましたが、現状、FIFAルールによってIW(インターナショナルウインドー)以外は招集できないという結論に至っているので、こちらに専念してもらう」と説明した。

 つまり、現状では、代表ウィーク期間に開催されるわけではないパリ五輪本大会に、2人を招集できないということ。それを踏まえて6月はU23代表ではなく、A代表の活動に参加することになったという。一方でA代表の常連である鈴木彩艶(シント=トロイデンVV)が選外となっているのはU23代表の活動に参加することが理由と思われる。

 アジアカップを途中離脱して以降、招集されていない伊東純也については「結論から言うと、私の知っている限り3月と状況は変わっておらず、(今回は)彼を守るために招集をしませんでした。スタッド・ランスでのプレーは確認していますし、戦力になると評価しています。ただ、代表活動をする場合、彼にプレッシャーがかかることが起こり得るということと、彼が大切にしている人たちに影響が出るかなと考えて今回は招集を控えました」とその理由について語った。

 すなわち状況が変われば招集するということであり、「代表で実績を残してくれていますし、コンディションが良ければ、チームで存在感を発揮してくれていれば代表にいつ入ってきても機能する選手だと思っています。そこは慌てずに落ち着いて彼がプレーできるように。落ち着いて活動できるようになれば、招集はさせてもらおうかなと思っています」と指揮官は話した。

6月シリーズの日本代表メンバー

▼GK
前川黛也(ヴィッセル神戸)
大迫敬介(サンフレッチェ広島)
谷 晃生(シント=トロイデンVV/ベルギー)
▼DF
長友佑都(FC東京)
谷口彰悟(アル・ラーヤン/カタール)
板倉 滉(ボルシアMG/ドイツ)
町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ/ベルギー)
冨安健洋(アーセナル)
伊藤洋輝(シュトゥットガルト/ドイツ)
橋岡大樹(ルートンタウン/イングランド)
菅原由勢(AZ/オランダ)
▼MF/FW
遠藤 航(リバプール/イングランド)
南野拓実(モナコ/フランス)
守田英正(スポルティング/ポルトガル)
鎌田大地(ラツィオ/イタリア)
相馬勇紀(カーザピア/ポルトガル)
小川航基(NEC/オランダ)
前田大然(セルティック/スコットランド)
旗手怜央(セルティック/スコットランド)
堂安 律(フライブルク/ドイツ)
上田綺世(フェイエノールト/オランダ)
田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)
川村拓夢(サンフレッチェ広島)
中村敬斗(スタッド・ランス/フランス)
久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)
鈴木唯人(ブレンビー/デンマーク)


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