アジアカップは準々決勝を迎え、日本は2月3日に優勝候補の一角でもあるイランと激突した。守田英正が先制しながら、後半にパワーで押し込まれて同点とされると、アディショナルタイムにPKを与えて逆転負け。守田はそれを「自分の責任」と言い切った。

上写真=守田英正が28分に先制して、幸先の良い前半だったが…(写真◎Getty Images)

■2024年2月3日 アジアカップ準々決勝(@エデュケーション・シティ/観衆35,640人)
イラン 2-1 日本
得点:(イ)モハマド・モヘビ、アリレザ・ジャハンバフシュ
   (日)守田英正

「敵対した相手にもっと勝たないと」

「相手が僕のポジションにタイトに来ていたので、上田選手が空いてるのは見えました。前にボールが入ったあとにいいサポートができて、いいタッチもできて、ゴールにつなげられてよかったなと」

 守田英正が強引に、大胆に決めきった。28分、左サイドで伊藤洋輝からボールを引き出してから中に通して上田綺世に当てた。そのまま上田から落としをもらうと、相手3人に囲まれながらもずんずんと進んでいって、正面から右足でシュート。GKの右足に当たったものの、ボールの勢いが勝ってそのままゴールに吸い込まれた。

 ここ2試合はベンチスタートで、3日前のラウンド16では旗手怜央の負傷によって急遽ピッチに飛び出すと、安定をもたらして3-1の勝利に貢献した。そこで見せたパス循環の接点になったプレー、そしてFWを追い越してゴールに突き進むアクションは、この日もさらに磨きがかかった。

 ゴールシーンはその象徴。質の高いポジショニングでボールを引き出し、そこからまっすぐゴールに向かった判断が、待望の先制点に帰結した。

「相手がロングボール主体に攻撃してくるのは想定内だったので、最初の守備の位置は深く、低く取ってたんですけど、攻撃のときには前に行くことは意識しました」

 ゴールのあとには、スポルティングのチームメート、FWビクトル・ギェケルシュのパフォーマンスを真似て、両手でマスクを作って顔の下半分を覆うようなポーズで喜んだ。

 しかし、後半にイランのパワーをそのまま受けてしまい、55分に同点とされると、アディショナルタイムには板倉滉と冨安健洋がお見合いするような形でクリアしきれずに、PKを与えて逆転負け。

「最後は声をかけられずに事故のような失点、というのは、今日のような試合では起こりうる可能性が見えてたので、非常にもったいない」

 守田はそれを、「自分の責任」だとするのだ。

「ああいう難しい試合の中で、ボランチとしてゲームをもっとコントロールする力が必要になる。自分の責任だなと思います」

 後半からパワープレーの割合を強めてきたイランを、うまく抑え込むことができなかった。試合の流れを引き戻して優位にひっくり返すことができないのは、ボランチの責任だという自覚である。

「グループステージからもそうですし、この試合を通して見ても、やっぱり1対1の部分で、フィジカルだったり制空権だったり、自分がマッチアップした、敵対した相手にもっと勝っていかないといけないですし、そこの勝率がチームとしての勝敗に大きく影響すると思う」

 後半、ロングパスのセカンドボールを前向きに拾われ、ずるずるとラインが、意識が後ろに重くなった。ボールを巡るバトルに勝てずにその流れを止めることができなかった、という基本中の基本となる反省が、未来への反骨心となるか。


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