上写真=遠藤航は前へと奪いに出て、インドネシアを封じた(写真◎Getty Images)
■2024年1月24日 アジアカップGS第3戦(@アルトゥマーマ/観衆26,453人)
日本 3-1 インドネシア
得点:(日)上田綺世2、オウンゴール
(イ)サンディ・ウォルシュ
「自分がファーストディフェンス」
イングランドの名門リバプールでプレーして、日本代表ではキャプテンを務める遠藤航であっても、このカタールの地で新たな気づきを得た。
「どんな相手であれ、やっぱり勝つっていうの難しいということを思い知らされたこのグループリーグだったと思う」
ベトナムに4-2で勝ちながらイラクに1-2で敗れ、そしてこのインドネシアには3-1。日本対策を徹底してきた相手に目標の全勝は達成できず、しかもこの大会のグループステージで敗れたのは1988年以来のことで、さらには一度もクリーンシートがなく、セットプレーでの失点が続いた。これがアジアのフットボール、というわけだ。
このインドネシア戦は黒星の直後のゲームだけに、余計に重要だった。引き分け以上でグループ2位を確保できるとはいえ、格下を相手に本当に引き分けてしまえば、その先の雲行きはますます怪しくなる。キャプテンとしてはそれを食い止める必要があった。
その姿勢はプレーそのもので表現した。まさに相手を「食い止める」アクションで、前へ前へとボールを奪いにいった。
「しっかり前向きにチャレンジするところと、やっぱり失ったあとの切り替えのところは、かなりチーム全体として意識をしていました。そこが生命線だと思うし、そこで漏れると相手もカウンターしてくる。そこの警戒の速さと運動量で相手を上回れたところが勝利の要因かなと思います」
相手はまたもや5バックでスペースを消してきたが、この日の日本は開始早々から押し込んで6分に先制したあとも、攻めて奪われてもすかさず奪い返しにいく姿勢が徹底された。連続攻撃と相手の攻撃の芽を摘む二重の効果を存分に発揮した。
「相手もかなりブロックを引いて守っていたので、僕たちがボールを持つ展開が多かったということもあります。でも、自分のところでしっかりセカンドを拾えるところと、攻撃で失ったあとの切り替えの部分で、自分がしっかりファーストディフェンスを前の選手と一緒にいくところは特に意識していたので、そこはうまくやれたかなと思います」
4-1-4-1システムのアンカーに入って、トランジションの瞬間に最初にボールを狩りに出る鋭さは、リバプールで証明済み。近くでプレーした旗手怜央も激しさは負けず劣らずで、ともに中盤を引き締めた。
これでまずは、第1段階をクリアした。トーナメント戦に入るここからの対戦では、相手も日本を前にベタ引きするだけではなく必ず攻めに出てくる瞬間があるから、そこでひっくり返すことは狙い目の一つだ。
「自分たちの力を最大限に出すために、毎試合、準備することが大事だと思います。今日のような試合をしっかり続けることが、次に向けて大事なのかなと思います」
苦しみながらもようやく見えた、日本の戦い方。次戦は中6日だから、たっぷり休養を取って、一気に頂上へと駆け上がりたい。