上写真=19日のイラク戦に後半から出場した冨安健洋(写真◎Getty Images)
クリーンシートに貢献できれば
前日会見に臨んだ冨安健洋は強い口調で言った。
「間違いなく簡単な試合にならないことは分かっていますし、アジアカップそしてアジアの戦いが簡単ではないことは、ベトナム戦、イラク戦でひしひしと感じています。間違いなく簡単な試合にならないのは分かっていますが、イラク戦の反省もしっかりできていますし、インドネシアも次のステージに進む可能性を残しているので相手の勢いに飲まれずに、僕たちから仕掛けて叩きのめす気持ちでやりたいと思っています」
初戦のベトナム戦も2戦目のイラク戦も、相手の圧力に押される時間があった。それは10連勝中の日本が決して見せなかった姿だった。いずれの試合でも2失点を喫しており、冨安はその事実を踏まえてこうも言った。
「個人的にディフェンダーなので、2試合、ベトナム戦とイラク戦でクリーンシートを抑えることできていないので、クリーンシートで(相手を)抑えられるように、そこに貢献できればと思っています」
複数の選手がイラク戦後の話し合いの中で、ライン設定が課題として挙がったと明かしている。冨安は相手に簡単には抜け出されないスキルとスピードを備える。板倉滉とコンビを組んだ昨年9月の敵地でのドイツ代表戦や10月チュニジア戦の前半がその好例。高いライン設定で高い位置からのプレスを可能にし、強豪国も相手を抑え込んだ。
果たして冨安は、森保監督に向けられたチームビルドに関する質問についても答えた。ボトムアップ型のチーム作りでは、試合中に修正するのが難しいのではないかという内容の質問だった。
「僕にとっての質問ではないけど、このボトムアップ型についての質問はベトナム戦の後にもあって、そこでも言わせてもらいましたが、決してネガティブなものではなく、森保さんが選手を信じているからこそできているのであって、それは本当にポジティブなこと。選手たちもその分、森保さんのためにと思ってプレーしますし、選手にとっても信頼されていることで、恩返しじゃないですけどピッチでのモチベーションにつながる。いい循環ができていると思っています。
試合の中でプレーが続いている中で、ピッチ上の選手が変えなければいけないのはもちろんあるので、僕や(遠藤)航くんだったり、リーダーになる選手が細かい調整をすることが必要です。両方できるべきだと思いますけど、ポジティブなものだと思っています」
冨安は、はっきりとリーダーの1人であるとの自覚を示した。ラウンド16進出が決まる明日のインドネシア戦。冨安がそのプレーで、悪い流れを断つーー。
取材◎佐藤景