上写真=一時は韓国を逆転するゴールを決めたヨルダンのヤザン・アル・ナイマト(写真◎Getty Images)
タフな戦いは2−2で決着
先制点はソン・フンミンによるPKだ。4分、ボックス内でパスを受けようとしたところをエッサン・ハダッドにスライディングで倒された。VARでPKを獲得すると、これをソン・フンミン自らがパネンカ(チップキック)決めて韓国が先制。1点をリードした。
だが、ここからヨルダンがタフな戦いを披露する。声援をバックに推進力を発揮し、前へ前への姿勢を打ち出していった。
36分の左CKの場面ではヤザン・アル・アラブに合わせたボールがパク・ヨンウのオウンゴールを誘い、同点に追いつく。スタンドが沸きにわく中、前半のアディショナルタイムには逆転ゴールが決まった。
45分+5分、ムサ・アル・ターマリのシュートの跳ね返りをヤザン・アル・ナイマトが右足でダイレクトボレー。スタンドが再び割れんばかりの大歓声に包まれた。
前半のうちに逆転に成功したはヨルダンは攻撃ではよく走り、守備では体を張ってゴールを守った。終盤は互いに足が止まってオープンな展開になり、攻守が目まぐるしく入れ替わることになったが、サポーターの熱い声援に背中を押されたヨルダンは、必死になって守った。
だが、韓国も必死の攻めを見せると、11分と表示された後半アディショナルタイムにゴールをつかむ。折り返しのパスを受けたファン・インボムがボックス左からシュートをねじ込み、ついに同点に追いついた。
同点に追いついた韓国が圧力をかけて何度もゴールに迫ったが、ヨルダンも粘り強く対応。アディショナルタイムを含め、110分あまりの激闘は2−2の引き分けに終わった。
この結果、グループEは勝ち点は同じ4ポイントながら得失点差で2点上回るヨルダンが首位、2位が韓国となった。韓国がグループステージ3戦目のマレーシア戦で勝利を飾り、ヨルダンもバーレーンに勝利した場合、韓国が得失点差でヨルダンを逆転しなければ2位抜けの可能性が出てきた。つまり、グループDを2位で抜ける可能性のある日本と、ラウンド16で対戦する可能性がなくなる。
取材◎佐藤景