日本代表のGKシュミット・ダニエルが現地5日、欧州遠征2日目のトレーニングを終えて取材に応じた。この夏、所属するシント=トロイデンVVから他クラブへ移籍すると思われていたが、現時点では残留が決定。ひとまず代表活動に集中し、ドイツ戦、トルコ戦に向けて集中すると話した。

上写真=今は代表活動に集中すると話したシュミット・ダニエル(写真◎サッカーマガジン)

いいアピールができたら今後につながる

 シュミット・ダニエルが所属するシント=トロイデンVV(STVV)はこの夏、浦和レッズからU22日本代表(パリ五輪世代)のGK鈴木彩艶を獲得した。それはシュミット退団に伴う加入と思われていたが、噂にあったフランスのクラブと契約することはなく、この夏のヨーロッパの移籍マーケットは閉じられた。

 言うまでもなく、GKは1チームに1つしかポジションがない。代表クラスのGKが2人そろっても、毎試合2人の力を生かすことはできず、STVVは随分ともったいない状況になった。

 実際、開幕から4節までゴールマウスを守っていたシュミットは、鈴木加入後の5節と6節はベンチも外れた。移籍の準備を進めていたと思われる。

 直前の2試合を欠場する形で代表に合流することになったシュミットは合宿2日目の練習後に取材に応じ、「移籍のことに関してはまたタイミングが来たら話したいと思うので。今は代表に集中したいと思います」とコメント。この2週間は、代表活動に専念するとした。

 第2次森保体制がスタートした3月は、シュミットがウルグアイ戦、コロンビア戦ともスタメンを飾った。しかし6月は2試合ともにベンチから見守ることになった。カタールW杯をサブとして過ごし、再スタートを切った日本代表ではGK争いの先頭に立っていくと思われたが、競争はやはり激しい。6月はエルサルバドル戦で大迫敬介にチャンスが与えられ、続くペルー戦は中村航輔がゴールマウスに立った。

 取り巻く状況が変わる中、今回の欧州遠征に懸けるシュミットの思いは、強い。

「できるなら試合に出て、いいアピールができたら今後につながると思うので。それに尽きるかなと。あと一番は勝つこと。相手も本気になって勝ちに来るだろうし、そう言う相手に対してちゃんと勝てれば代表にとっても自信につながると思うし、そうなるように頑張りたいです」

 今回もGKは6月シリーズと同じ3人が選ばれた。今はまだ等しくチャンスが与えられている状況と言えるかもしれない。その中でポジションをつかんでいくには、出番が来たときに、しっかりアピールする必要がある。

「間違いなくリベンジという意気込みでくると思うし、あっちのホーム開催で、めちゃめちゃアウェーの雰囲気を作ってくると思う。相手はドイツで、シンプルに強い上にアウェーの雰囲気を作ってくる。僕らが試される良い試合になると思います。まあ、楽しみです」

 カタールW杯では外からあの歴史的な大逆転劇を見つめた。今度は、ピッチの中で。代表における自らのポジションを確立していくためにも、シュミットにとってドイツ戦、トルコ戦は重要な試合になる。


This article is a sponsored article by
''.