上写真=左から南野拓実、大迫勇也、小川航基(写真◎Getty Images)
9月9日にドイツ戦、12日にトルコ戦
日本代表は9月9日にドイツ代表、同12日にトルコ代表と対戦する。欧州勢と親善試合を行える貴重な機会を前に、森保一監督は「自分たちの立ち位置を測れるという意味では、ドイツ戦もトルコ戦もとても楽しみな試合」と話す。
「ドイツに関して言うと、我々に連敗はできないと思いますし、そのモチベーションもある上で彼らのホームでもある。チームが思ったような結果を出てない中で我々と戦うことになるので、ここで自信を深めたいという強い気持ちを持って戦ってくるでしょう。厳しい戦いにな理ますが、我々にとっては最高の親善試合になると思っています。最高の強化試合、個の立ち位置、チームとしての立ち位置も含め、今後、やらなければいけないことを、またワールドカップ優勝経験のある国から学べる機会。日本のサッカー界にとっても(対戦するのは)良いことだと思います」
自分たちの現在地を知る上で格好の試合に、指揮官はどんなメンバーで臨むだろうか。
3月、6月シリーズでは、合わせて38人を招集。うち海外組は26人と大勢を占める(招集時点)。これだけ海外組が増えた現状を鑑みれば、それは自然な流れであり、今回の試合がドイツ、ベルギーで行われることを踏まえれば、時差なく活動に参加できる海外組が引き続き多く選ばれることになるだろう。
ただ、今回の選考はこれまで以上に難しいものになるかもしれない。今夏、海外組がさらに増え、シーズン開幕後に好調なプレーを見せている選手が多いからだ。
指揮官が明言している通り、今回の活動は現在地を測るという目的がある。強豪国相手に積み上げたものを出すのだとすれば、3月と6月のメンバーから大幅に変わるとは考えにくい。特に初日から選手が集まり、練習に多くの時間を割くことのできた6月のメンバーが軸になると思われる。また、ドイツ戦からトルコ戦は中2日。6月シリーズ同様に大きく顔ぶれを変えて試合に臨むことが予想され、『各ポジションに2人』を基本的な考え方として選手を選ぶことになるだろう。
また、3月はバングーナガンデ佳史扶と半田陸、6月は川﨑颯太と、パリ五輪世代の選手を呼んだが、今回は同時期にバーレーンでパリ五輪のアジア予選が行われる。現在のチームづくりの中で森保監督は若い選手の招集に関して前向きな姿勢を示しているが、今回はそれが叶わない。とすれば、その『若手枠』を『新戦力枠』として試す可能性もあるのではないか。
第2次森保ジャパンの新戦力候補として、まず名を挙げたいのが、NEC(オランダ1部)の小川航基だ。開幕から2試合連続ゴールを決め、海外初挑戦にしていきなり結果を出してみせた。前線でボールを収めるという点でも、代表チームで試してほしい人材で、エールディビジの第3節のRKC戦ではポストワークで攻撃を活性化。プロ入り後はやや伸び悩み、同世代の選手たちに遅れを取っていたが、ここに来てその才能が覚醒し始めている。2019年のE-1以来の代表復帰が期待される。
小川と同じセンターフォワードのポジションには古橋亨梧、上田綺世がいるものの、セルクル・ブルージュ(ベルギー1部)からフェイエノールト(オランダ1部)へ今夏移籍したばかりの上田は、所属でまだ先発機会がない。小川と上田を両方招集する可能性も、代表常連の上田のみを招集する可能も当然あるが、上田については代表活動後にチャンピオンズリーグが控えている状況も鑑みて、今回はクラブの活動に専念させるかもしれない。
森保監督は過去にも移籍の渦中にある選手や移籍直後でポジションをつかむために重要なタイミングにある選手の招集を見送ったケースがある。クラブでの活動の充実が、いずれ代表の強化につながるとの考えを持っているからだ。
同じセンターフォワードのポジションにはドイツ2部のホルシュタイン・キールに移籍した町野修斗もいる。町野は開幕4試合で2得点を記録するなど所属で存在感を高めており、3月以来の招集もあり得るだろう。上田、小川、町野の中から2人をチョイスする形か、1人を選ぶのか。2試合のうち1試合は古橋が務めるとして、もう1試合で1トップを務めるのが誰なのか、注目される。