上写真=全体練習開始時のランニング。一団の中央で走る遠藤航(写真◎サッカーマガジン)
どうやったら優勝できるのか考えて行動してほしい
所属するシュツットガルトは2季続けて最後まで残留争いに巻き込まれた。キャプテンを務める遠藤は大事な試合でゴールをあげるなど目に見える結果も残し、文字通り牽引車としてブンデスリーガ1部残留に貢献した。
ピッチでの振る舞い、そのリーダーシップは側で見ていても伝わってきたが、この6月の活動から日本代表でも正式にキャプテンに就任することになった。合宿初日に森保一監督に伝えられたという。正式に、と前述したのは3月シリーズ時点ではまだゲームキャプテンだったからだ。実際、試合や活動の状況を見て今後、キャプテンを決めていくと指揮官が話してもいた。
「クラブや世代別でやらせてもらっていたりするけど、A代表でつけるのは特別な思いが込み上げてきます。ただ、自分にできることは限られているので、いままで通りやるというのにプラスして、チームがどのふうにやっていければ成長できるかは常に考えないといけないと思う」
特別なキャプテンの就任に際し、遠藤は他の選手にどんなメッセージを発信したのか。取材陣に問われて、答えた。
「競争がある中でやっていかないといけないのは、選手の立場としては難しい。競争に勝たないといけないけれど、その一方で(代表に)入るか入らないかわからない選手も、W杯で結果を残すためにやっていかないといけないと思う。とにかくここに来たからには、初めて入るとか、前回入っていなかったとか、若いとかは関係なしに、しっかりチームがW杯でこの先日本代表がどうやったら優勝できるのかとか、そういうことを考えて行動してほしいという話をしました」
所属チームではピッチ上のプレーで表現し、背中で語ることが多いというが、「チームとしてのキャプテン像と、代表としてのキャプテン像は変わっていくと思う。コミュニケーションは日本語でより取れると思うし、同じことをやろうとは思っていないですね。このチームはこのチームのキャプテンとしてのやり方はあると思うので、それをやっていきたい」と代表チームのキャプテンとして時には積極的にコミュニケーションを取り、その役割を果たしていくつもりだ。
長谷部誠、吉田麻也から引き継ぐバトンは重たいが、クラブでタフな状況を何度も乗り越え、代表でも五輪代表を含め、多くの経験を積んできた。遠藤はその重みを理解し、しっかり受け止めて、前に進むと誓う。
全ては代表を成長させるためにーー。ここから遠藤は遠藤らしいキャプテン像を作り上げ、先頭立ってチームを引っ張っていく。