上写真=山根視来は独特の攻撃の感性で日本代表にバリエーションをもたらす(写真◎Getty Images)
「昨日はあまり眠れなかった」
「夢に見ていた舞台ですし、うれしさとホッとする気持ちと、もっとやらなければいけないという思いがずっと心の中で絡み合っていて、本当に日本のためにやらなければいけないと思っています」
山根視来は初めてのワールドカップに胸をときめかせる。晴れ晴れとした表情でそう第一声をあげた。
「昨日はあまり眠れなかったんです」と高まる緊張を隠せなかったという。
「名前を呼ばれたときには、試合より緊張していました。サッカーをやっていないときに緊張するこはほとんどないんですけど、今日は人生で一番緊張したんじゃないかな」
日本代表には2021年3月の韓国戦でデビューしたばかりだが、ワールドカップ最終予選ではベトナムとオマーンの厳しいアウェー連戦でフル出場を果たすなど、力を発揮した。同じ右サイドバックの酒井宏樹とはまた違った攻撃力が魅力的だ。所属する川崎Fでは神出鬼没のプレーでピッチのさまざまな場所に顔を出し、ポジションにとらわれないプレースタイルがチームの攻撃の幅を広げている。日本代表でも連係を熟成させて、攻撃のバリエーションを増やす存在になりそうだ。
ワールドカップは初めての出場になる。
「選ばれた意味をしっかり考えて、僕にしかできないプレーを表現すること、得点に絡んでいく思いきりの良さを存分に出すことが、日本のためになると信じています」
迷いはない。ベスト8を目標に掲げるチームの一員として、全力を注ぐつもりだ。
「優勝経験のあるチームが2ついる(ドイツ、スペイン)ので、厳しいグループだと思います。でも、日本代表ならやれると思っていますし、そのための準備をこの瞬間から始めていきたい」
世界最高の舞台で思いきり駆け抜ける姿が見られそうだ。