上写真=相馬勇紀が2ゴール。FKとバックヒールで技術の高さを披露した(写真◎小山真司)
■2022年7月19日 E-1選手権 第1戦(@カシマ/4,980人)
日本 6-0 香港
得点者:(日)相馬勇紀2、町野修斗2、西村拓真2
「欲を言えばもう少しスピードを上げて」
まさに、電光石火!
開始わずか2分、相馬勇紀の右足がうなりを上げた。ゴールやや左のFK。左の杉岡大暉と並んでスポットに立つと、リラックスして迷いなく右足を振った。壁を越えて左に曲がりながら、ゴールに吸い込まれていく。
「最初のチャンスで点を取ったら、乗っていけると思いました。狙い通りのコースに飛んでよかったです」
にこやかに振り返りながら、さらなるレベルアップへの意欲は忘れない。
「欲を言えばもう少しスピードを上げて良いコースに飛ばしたかったですけど、チームでも1点決めていて、あの角度には自信がありました」
これをきっかけに、日本は大量6ゴールを集めた。そのうちのもう一つが、相馬によるものだ。55分、右サイドのニアゾーンを取った山根視来から超高速クロスが飛んできた。ゴールに背を向けながらバックヒールで軽やかに流し込み、5-0とした。
「視来くんを信じてニアに飛び込んでゴールになりました」
右サイドハーフに水沼宏太がいたことも影響していた。鋭いクロスが持ち味だから、ポジショニングを工夫した。
「水沼選手がいるので、クロスに入れるようにと思って、いつもなら外で待っていることも多いですけど、内側のポジションを意識していました」
「最初は水沼選手から直接もらおうと思いましたけど、パスがつながったのでニアまで動いてゴールにつながりました」
今回のメンバーではほとんどトレーニングできない難しい試合だったが、仲間の特徴を見極めながら工夫の積み重ねでゴールにつなげていった。「合わせる時間が短かったので、試合中にたくさん話してコーチングの量を増やしてつながること意識しました」と90分で一つのチームになった。だが、香港よりも強敵である中国、韓国を同じように上回らなければならない。
「次の中国戦までは日が空くのでしっかり準備して、優勝で終わるのが目標なので成熟度を高めて戦いたい」
だから、心の底からは喜ぶのはまだ先に取っておく。
「2点を取れたのは素直に喜ぶべきことだと思いますけど、謙虚に次の試合に向けて頑張っていきたい」
現地取材◎平澤大輔 写真◎小山真司