上写真=代表デビューで2ゴールを記録した西村拓真。横浜FMのチームメイトから祝福を受けた(写真◎小山真司)
■2022年7月19日 E-1選手権 第1戦(@カシマ/4,980人)
日本 6-0 香港
得点者:(日)相馬勇紀2、町野修斗2、西村拓真2
3人ともが代表初ゴール
地力の差が前半から表れた。相手の香港は危険地域でタイトな守備を試みるものの、アプローチが一瞬、遅れる。そのスキを日本は逃さなかった。前半の45分で集めたゴールは4つ。
口火を切ったのは戦前、目に見える結果を残したいと言っていた相馬だ。前半2分、右足で直接FKを叩き込んだ。20分には町野が得意のヘッドでネットを揺らす。山根が右から上げたクロスのコースを変えて相馬に続き、代表デビューで初ゴールを奪った。
その2分後にはトップ下でゴールに向かう姿勢を見せ続けていた西村がゴールをマークした。相馬がルーズボールを拾ってボックス内に縦パスを入れると、西村は収めて粘って反転シュート。チームの3点目をたたき出す。さらに、である。前半終了間際の40分には藤田のパス受けてボックス手前から鋭いシュートを放ち、ゴール左下を射抜いた。
4-0と大きくリードした日本は後半、キャプテンの谷口をベンチに下げて温存。代わって中谷を投入したが、勢いは衰えなかった。55分に右サイドを攻略すると、山根をクロスにニアに入り込んでいた山根が反応。股下をくぐらせつつ、右足で角度を変えゴールを奪った。その後も、水沼の右からクロスを弾かれたところを西村が詰めてこの2点目をマーク。57分までに6ー0とした。
初招集が多い急造チームであり、全員がそろっての練習は1日しかできていないものの、セットプレー、サイド攻撃、コンビネーションと多彩な形で今回のチームはネットを揺らした。横浜FMの選手が5人同時にピッチに立ち、ユニットとしてコンビネーションの核を形成したことも大きかっただろう。むろん、相手との力の差は歴然で、従来の代表チームと単純な比較はできないが、ゴールに向かう前向きなベクトルが、いい形でピッチ上に体現されていたのは確かだ。
試合はそのまま6-0で終了。大会初戦を大勝で飾った森保監督は、フラッシュインタビューで試合を総括した。「代表初招集の選手がこの試合の中で成長しようとしてくれた。個々の力を発揮しながら、チームメイトとつながる能力を見せてくれたと思います。ギラギラしたものを持ちながら、個を出すこと、組織力を出すことを、バランスよく戦ってくれた。次も勝って、最後に優勝できるように準備したい」。
急造チームながら、持ち味を出すという点において成果を得た。日本の次戦は24日。豊田スタジアムで中国と対戦する。