E-1選手権に臨む日本代表の合宿が17日、スタートした。練習前には、32歳にして初めて代表に選出された水沼宏太が取材に応じた。今季J1で5ゴール6アシストと活躍し、横浜F・マリノスをけん引。絶好調のアタッカーは代表への強い思いを語った。

上写真=オンラインで取材に応じる水沼宏太(写真◎スクリーンショット)

父を追い越せるようにもっと高みを目指す

「やっとここに来れたなっていうのが率直な感想です」

 代表合宿初日。オンラインで取材に応じた水沼は、代表招集の感想を改めて求められ、簡潔にその心情を表現した。

 32歳でA代表は初招集。2008年に横浜FMでトップ昇格を果たしてから14年で5つのクラブを渡り歩いた。その道のりは決して順風満帆ではない。だが、行く先々で努力を重ね、階段を一つひとつ着実に上がってきた。2020年に古巣の横浜FMに復帰し、今季は右サイドハーフとして圧倒的な存在感を示す。豊富な運動量で攻守に働き、サイドから正確なクロスを供給。自らも果敢にボックス内に飛び込んで5ゴールをマークしている。その活躍が代表スタッフの目に留まり、ついに代表招集を勝ち取った。

「僕自身も初めて入ったので、自分が(チームを)まとめるとか、そういう立場ではないかもしれないですけど、やっぱり年長者ですし、年長者らしくみんなとコミュニケーションを取っていきたい。僕自身は僕らしくいること、みんなとコミュニケーションをたくさん取ることが、自分のいいところかなと思っているので、短い期間ですけど、チームとして、先に繋がる大会にしないといけない」

 常に、メディアの質問に対して言い淀むことなく真っすぐに答える水沼は、代表活動でもいつも通り、真摯に丁寧に思いを語った。

 取材前夜の鳥栖戦では自ら招集を祝うかのようにゴールもスコア。自身がかつてプレーし、「育ててもらった」チームと直前に対戦して代表活動に臨むことになったこいとで「パワーをもらった」と話す。「キャリアを積み重ねるにあたって、本当にたくさんの人に出会うことができて、本当に恵まれたサッカー人生だなと思っています」。

 水沼の父親は、元日本代表の貴史さん。今回の初招集について「喜んでくれました。これまで頑張ってきてよかったねと。そして、これからだも言ってくれた。今まで支えてくれた父にもすごく感謝してますし、これからまた追い越せるように、もっともっと高みを目指していきたい」。

 水沼は「ここがスタートライン」とも言った。出会った全て人々への感謝を胸に、今回の代表活動に臨んでいる。


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