3月29日のカタール・ワールドカップアジア最終予選の最終戦で、日本はベトナムに先制され、追いつきはしたものの1-1の引き分け。上田綺世はセンターフォワードとして先発、最後の最後までゴールを狙い続けたが、逆転までは至らなかった。

上写真=上田綺世はフル出場。最後までゴールを狙い続けた(写真◎小山真司)

■2022年3月29日 FIFAワールドカップ・アジア最終予選・B組第10節(@埼玉スタジアム/観衆44,600人)
日本 1-1 ベトナム
得点:(日)吉田麻也
   (ベ)グエン・タイン・ビン

「引き出しを増やさなければ」

 3月24日のオーストラリア戦では途中から出場した上田綺世は、このベトナム戦でセンターフォワードとして先発した。だが、メンバーが大幅に変わったこともあって、かみ合わない。

「些細な部分ですが、僕がもう一個、相手より前に入るとか、ボールの呼び込み方とか、引き出しを増やさなければいけないと思いました」

 VARで取り消されることになったが、70分に田中碧が押し込んだシーンでは持ち味を出した。中央の混み合った場所でも相手からボールを隠しながらていねいにボールを収めてから、右足のクイックな振りでシュートまで至る一連の流れは鋭かった。

「(アディショナルタイムを含め)100分近く出た中で、点を決められなかったのは前の選手の責任です。バリエーション多く攻められればよかった」

 後半からは久々に4-2-3-1システムにして、久保建英がトップ下に入り、61分からは南野拓実がそこに代わって、どちらとも縦関係で距離感近くプレーできた。三笘薫も内側のポジションにも入る工夫も見せ、ダブルボランチの一角で入った田中碧も前へ前へと出て絡んできた。

 さまざまなテストを繰り返しながらも、ホームで、最終戦で勝ちたかったが、ついに決勝点は生まれなかった。先制してから5バックで守り通したベトナムを、崩せそうで崩せなかった。

「コロナ禍でこれだけ多くのお客さんに集まってもらうのは、選手として力になりました。その前で勝っている姿やハート、闘志を見せたかったのがありますし、(それができずに)悔しいので次に生かしていきたい」

 前節でワールドカップ出場を決めたから、この試合がサバイバルのスタート地点。

「練習でも試合でも、必ず課題や自分に足りない部分はやっていれば分かります。毎日トライし続けて、一つひとつアップデートしていくことができればと思います」

 大迫勇也がこのシリーズでは負傷で辞退しており、センターフォワードの有力な後継者としての可能性は見せた。次なるアップデートが楽しみだ。


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