上写真＝オーストラリアの攻撃陣に立ちはだかった吉田。キャプテンとして7大会連続のW杯出場に導いた（写真◎Getty Images）
■2022年3月24日 FIFAワールドカップ・アジア最終予選・B組第9節（@オーストラリア・シドニー）
オーストラリア 0-2 日本
得点:（日）三笘薫2
「本当にうれしいです」
W杯出場権獲得の心境を問われた吉田は、数秒の沈黙を経て「ホッとしています」と言葉を絞り出した。「これでとりあえず、もうちょっと代表でプレーできるなと思った」と笑顔で続けながらも、瞳が潤んでいる様子からは、万感の思いが伝わってきた。
勝てば出場を決められるが、過去のW杯予選では2分け1敗の未勝利というオーストラリアでのアウェーゲーム。試合前の円陣では「このアウェーでオーストラリアに勝っていないので、必ず勝ってワールドカップを決めようと話した」という。
前半は、チャンスもピンチもある行き来の激しい展開。それでもハーフタイムを経て「データで、相手が後半に落ちてくるのは分かっていた。前半はプレスをかいくぐれなかったところを、田中（碧）選手、遠藤（航）選手、守田（英正）選手がうまく絡んでくれて相手をいなし、僕たちがボールを持つ時間が長くなった」と評した後半は、試合をコントロールしながら得点を狙う時間帯が続いた。
終盤に入ると、引き分けでは苦しくなるオーストラリアに攻め込まれる場面もあった。それでも「最終的には攻め込まれる時間帯になりましたけど、相手が出てこなければいけない状態まで0-0でいったことで、大きなスペースが後ろにできた」と振り返る。終了直前に三笘薫の2ゴールでW杯出場を決め、「三笘選手がうまく点を決めてくれたので、プラン通りでよかった」と胸を張った。
最初の3試合で1勝2敗と出遅れたときは、サウジアラビアの観客の挑発にいら立ちをあらわにする場面もあった。前回シリーズは負傷で不参加となるなど苦しい時期を過ごしたが、第4節からは6連勝で7大会連続の出場。難局を乗り越えたキャプテンは「本当にうれしいです。ホッとしました」と繰り返していた。
