上写真=前回シリーズの2試合では負傷欠場の吉田麻也に代わってキャプテンマークを巻いた遠藤。W杯出場が懸かる大一番を迎える(写真◎JMPA小山真司)
「もちろん引き分けでも悪くない」
昨年9月にスタートした最終予選は、いよいよ残り2試合となった。最初の3試合で1勝2敗と出遅れた日本だが、その後は5連勝を飾り、3月24日にアウェーでオーストラリアを下せば7大会連続のW杯出場が決まる。「当たり前ですけど、そんなに簡単な最終予選ではなかった」と振り返った遠藤は、「次で勝てば決まる。アウェーですが、しっかり勝ち点3を取りにいく姿勢を見せたい」と意気込みを語った。
オーストラリア戦にW杯出場が懸かるのは3大会連続。遠藤は前回の2017年8月、埼玉スタジアムでの試合はメンバー外でスタンド観戦しており、「そのときの盛り上がりは、すごく鮮明に覚えている」という。「自分もピッチに立ちたいと思っていた」と心境を明かし、「それをつかむチャンスがあるのは、個人的に非常に楽しみ。しっかり勝ちたいという思いは、もちろん強い」と強調した。
前回の「力になったというより、一員としてやっていたというイメージ」の最終予選を経て、ロシアでの本大会はメンバー入りしたものの、出場機会はなかった。「ベンチから試合を見て、いろいろな悔しさがあった」ところから、現在は中盤で不動の存在に。「ずっと試合に出させてもらい、中心としてやらなければいけないという、覚悟みたいなものもありながらプレーさせてもらっている」という思いを胸に、今度は自らの手でW杯出場をつかみ取りにいく。
勝てば出場決定、敗れれば自動出場圏外の3位に後退。引き分けなら、29日にホームでベトナムと引き分け以上で出場決定となるだけに、敵地であることを考えれば、引き分けでも悪い結果ではない。展開や状況を考えた試合運びがポイントの一つになるが、遠藤は「勝ちにいく姿勢を見せることは悪いとは思っていない。逆に引き分けでOKと考えてやる方が、自分たちにとってはあまり良くないと思う」と自身の見解を述べた。
「もちろん引き分けでも悪くないと、みんな分かっている」とした上で、それはDFや守備的なMFが意識すればいいとの考えを示した。「僕がアンカーで出るとしたら、リスクを負ってまで前線に出ていくようなプレーをする必要があるのか。そのあたりはピッチでの判断になると思う」と語り、「基本的には点を取りにいく、勝ちにいく姿勢を見せた方が、結果的に引き分けられる可能性も高くできると思っている」と続けた。
とはいえ「勝ちにいくといっても、やみくもに攻撃的にやるわけではない。相手も勝ちに来るのは前提として、自分たちが90分間、主導権を握っていなければいけないとは思っていない」とも語る。相手のパワーの使いどころなどをピッチ上で感じることの重要性を指摘した上で、「経験ある選手も多いので、そんなに心配はしていない」とチームメイトへの信頼を口にしていた。