上写真=昨年10月の対戦はオーストラリアが3-1でオマーンに快勝も今回はドローに終わった(写真は昨年10月/Getty Images)
次節の結果次第で日本の突破が決定
2位の日本が首位のサウジアラビアをホームで2-0と下した4時間後、オマーンの首都マスカットで、4位オマーン対3位オーストラリアが行なわれた。
先にネットを揺らしたのはアウェーのオーストラリアだ。右サイドからジャクソン・アーバインが送ったロングボールを、裏に抜けたマーティン・ボイルが足裏トラップで巧みに収めてそのままボックス内に進入。前に出て距離を詰めてきたオマーンのGKアルルシャイディに倒されて、PKを獲得した。これを前節もゴールを決めているジェイミー・マクラーレンが冷静に沈めてほしかった先制点を手にした。
前半はオーストラリアがリードしたまま終了したが、30分を過ぎたあたりからゲームの流れをつかみつつあったオマーンが後半開始からチャンスを創出し始める。すると54分に試合を振り出しに戻した。左サイドでマンザー・アルアラウィが起点をつくり、スルスルと中央を上がってきたアブドゥラ・ファワズにパス。わずかのシュートコースを見つけると迷わず右足を振り抜き、ゴール上にシュートを突き刺した。
1-1の同点とされたオーストラリアはギアを入れ直して攻め手を強めていく。しかしオマーンもソリッドな守備と攻撃の素早い切り替えで対抗。一進一退の攻防が続いた。
互いに次の1点を求めて攻め合うなか、勝ち越しに成功したのはオーストラリアだった。左からクレイグ・グッドウィンが入れたクロスをボックス左からボイルが頭で折り返し、ミチェル・デュークが後方に丁寧に落とすと、走り込んだアーロン・ムーイが強烈な右足ミドルを叩き込んだ。オマーンのGKも一歩も動けず。相手を左右に揺さぶり、シュートを突き刺す理想的な攻めの形でオーストラリアがリードを奪った。
ところが、である。試合はこのまま終わらなかった。オマーンが驚異の粘りを見せる。87分、M・アルアラウィのパスを受けてボックス内にドリブルで進入したムフセン・サレサニが倒されて今度はオマーンがPKを獲得。アブドゥラ・ファワズがこの日2点目となるゴールをPKで決めて土壇場で同点に追いついた。
試合はそのまま2-2で終了。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、オーストラリアの選手たちは何人かがピッチにひざまずき、オマーンの選手たちはスタッフと健闘を称え合っていた。終了間際に追いつかれたオーストラリアの選手たちは2ポイントを失った思いが強かったに違いない。この日の結果で3位以上は確定したが、予選の残り2試合はグループ2位の日本と、首位サウジアラビアが相手。4ポイント差のサウジアラビアには直接対決だけでは追いつけず、日本を自力で上回るには、次戦の直接対決で必ず勝たなくてはならない。3月24日のオーストラリア対日本はW杯出場をかけた、最大の注目ゲームになる。
一方、日本の立場に立てば、同一戦に勝てば最終節のベトナム戦を待たずして、W杯出場が決まる。そして引き分けた場合でも最終戦のベトナム戦に引き分け以上の結果を残せば、カタールW杯行きが決まる。すなわち日本は優位な状況にあるが、はたしてーー。