上写真=山根視来はベトナム戦、オマーン戦と連続フル出場。勝ち点6獲得に貢献した(写真◎JFA)
■2021年11月16日 FIFAワールドカップ・アジア最終予選・B組第6節(@オマーン)
オマーン 0-1 日本
得点:(日)伊東純也
「90分間を通して勝つ目的を持って」
ベトナムとオマーンという難敵が立ちはだかるアウェーの連戦で、見事に連勝。そのチームの中に山根視来はいた。どちらも先発フル出場。見事に勝ち点6の獲得に貢献した。
「勝ち点6が最低条件だったので、そこは良かったですし、最終予選のアウェーはどの大会を見ても難しいので、まず勝つことにフォーカスできたんじゃないかと思います」
スコアはどちらも1-0で、攻めあぐねたという見方もできる。それでもきっちり勝利をもぎ取ったのは、価値あることだ。山根の言う「我慢」がものを言った。
「中東のアウェーで独特の雰囲気の中、タフな試合になりましたけど、みんなで我慢しながら相手の規則正しくスライドしてくる守備を横に揺さぶりながら、90分間を通して勝つ目的を持って勝ち点3を取れたんじゃないかと思います」
オマーンの堅い守備がいかにやっかいであるかは、初戦の苦々しい黒星とともにチームの記憶に刻まれていた。特に今回はアウェーだから、焦れることなく繰り返し、左右に動かすことを意識したのだ。
山根自身はベトナム戦が最終予選では初めてのプレーで、2試合を経験したいま、感じることは多い。
「外で見るのと中でプレーするのでは、天と地の差があると改めて感じましたし、いろんなリスクを感じながらプレーするのはなかなかできない経験でした」
ピッチの中でしか経験できないことが刺激になった。長らく日本代表の右サイドバックでプレーしてきた酒井宏樹が、負傷の影響もあってプレーできない分を、山根がカバーした。さらにポジションを奪い切るために、自分らしさをもっともっと強調していくつもりだ。
「まずは勝ち点3に貢献できたことで、今後はもっと自分の強みを生かしていければと思います」
強みとは、周囲とのパス交換から右のニアゾーンを制圧する絶妙のランニング。この2試合は伊東純也と縦関係でプレーして、少しずつかみ合ってきた。さらに積み重ねれば「剛の伊東」「柔の山根」のコンビネーションが誕生するはずだ。