カタール・ワールドカップのアジア最終予選は11月16日(現地時間)の第6戦・オマーン戦から後半戦へと突入する。3勝2敗で3位の日本にとっては、2021年最後の試合できっちり勝ち点3を手にしなければならない。攻撃の要の南野拓実が語る、その方法とは。

上写真=南野拓実は「先制点がすごく重要になる」とオマーン戦を見据えている(写真◎JFA)

「押し込んで自分がゴールに近い位置で」

 カタール・ワールドカップ行きをかけたアジア最終予選も5試合を終え、折り返し地点だ。得点はわずかに4。南野拓実は3試合に出場してまだゴールはないが、直近の11月11日のベトナム戦では見事なアシストで17分の決勝点をお膳立てしている。

 大迫勇也のポストプレーに合わせて左を追い越して受け、跳ねるボールをしっかり見定めながらファーポスト際へ。トップスピードで走り込んできた伊東純也にピタリと合わせるスピード感のあるパスを送って、フィニッシュを導いた。流れるような展開だった。

「ベトナム戦でサコくん(大迫)に当てて追い越していって、前の3人が絡んで決めたあのシーンは一つの理想というか良かったシーンだなと思います」

 南野自身も納得のゴールだった。

 オーストラリア戦、ベトナム戦と続けて4-3-3のシステムで戦って、2連勝。南野は左ウイングのポジションでどちらも先発している。ただ、じっくりと戦術を練り込む時間は取れなかったから、2試合でその効果を堪能できるまでには至っていない。

「ブロックを敷いて守られたときにどういう距離感で進めるのかはもっといろいろ試して、ビルドアップからポジションを意識して調整してその都度その都度、いい距離感でできるようにしなければと」

 大迫が「攻撃にもっと厚みを」と訴えるのは、得意なポストプレーでボールが入ってもサポートが集まらないという実感があるから。トップ下を置かないシステムのデメリットとも言えるが、そこで効いてくるのが南野のふるまいだ。右サイドは俊足の伊東が幅を取るが、左の南野はいわゆるウイングではなくもっと中央に近い場所に立っている。代わりに、外のレーンをサイドバックの長友佑都のために開放している

「その崩しがゴールにつながるというわけじゃないですけど、そうやって押し込めればいいなという感じでしかないというか、それをやって押し込んで自分がゴールに近い位置でプレーするための一つの方法かなと思っています」

 自分がインサイド、長友がアウトサイドで組み立てていくのは、第一義に「押し込む」ことを目的としているという。そうすれば、大迫との距離が近くなってサポートに回ることができる。

「サコくんが動いたスペースをうまく使えていないと感じているので、もっとうまくやっていければと思っています」

 オマーン戦でどんな戦い方が選ばれるかはわからないが、日本にとっては初戦で負けた相手だからリベンジの機会。南野にとっては、その試合は負傷もあって出場することはなかったから、苦手意識もない。オマーン入りしてからは4日間、トレーニングもを重ねることができた。

 そろそろ、南野のゴールでチームを勢いに乗せたい。


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