上写真=オマーン戦に向けてトレーニングする吉田麻也(写真◎JFA)
勝てば引き離せるし、上位にプレッシャー
初代表は、2009年12月21日のアジアカップ最終予選・イエメン戦。吉田麻也はそこからキャップを重ね、先のベトナム戦でA代表出場試合数は112試合に達した。中澤佑二の110を超え、井原正巳が持つ122まであと10試合になった。
「ちょうど昨日、キャップ数について話していて中澤さんの数字を超えたことを知りました。100試合を超えたときに、僕はセンターバックなので次は中澤さん、その次は井原さんを超えていきたいと思っていました」
CBとして守備を引き締め、2018年のロシアW杯後はキャプテンを務め、プレーはもとより、その姿勢で代表で戦うことの意味を示してきた。100試合以上、日本代表の試合に出場しているのは、吉田を含めて過去に8人しかいない。現代では、長友佑都の130試合が最多で、それに次ぐのが吉田の112となる。ただし、数字はあくまで数字。吉田をここまで突き動かしてきたのは、向上心だ。
「今も毎日うまくなりたいと思っていますし、昨日より良い選手になりたいと思っています。その情熱がある限り、成長できる。数字にあまりこだわらずにより良い選手になりたい。そういうメンタリティーが大事だと思います」
サッカーは年齢でするものではないが、ただ自身は33歳となり、周囲の見方が変化していることも承知している。「年齢も年齢なので、1試合で評価が変わる。どうしても年齢で評価される歳になってきた。長友選手も大迫(勇也)選手も同じだと思いますが、僕らはそれに対して見返してやりたいという気持ちが強いです。オマーン戦もそういう気持ちで挑もうと思いますし、その先に井原さんが見えてくると思う」と、厳しい目に対してもピッチのパフォーマンスで示し続けてみせる覚悟を口にした。
今予選の初戦で敗れた相手、オマーン戦は絶対に勝たなければならない相手だ。アウェーゲームであり、簡単ではないが、「次、勝てばオマーンを引き離せるし、上にもプレッシャーを与えられる」と必勝を誓う。現在、グループB3位の日本と出場権を獲得できる2位オーストラリアの勝ち点差は1。そして4位オマーンとの差は、2ポイント。今年最後の代表戦は10試合ある最終予選の後半戦初戦という見方もできる。「後半戦に向かってこういう状況に導いてしまったのは自分たち」「しっかりと勝ち点を取りたい」。文字通りの大一番へ、吉田は気合いを込めた。