上写真=前田大然が日本代表入り! 東京オリンピックではフランス戦でゴールを決めている(写真◎Getty Images)
「J1で結果を残して選ばれたので誇り」
J1得点王へまっしぐらの前田大然が、待望の日本代表入りだ。森保一監督は11月4日、カタール・ワールドカップアジア地区最終予選のベトナム戦、オマーン戦に臨む27人を発表し、前田が復帰した。2019年のコパ・アメリカ以来のフル代表となる。
「前回はオリンピックを目指す活動の中で選ばれましたが、今回はJ1で結果を残して選ばれたので誇りに思います」
森保監督の下では、東京オリンピックのメンバーに選ばれたのが記憶に新しい。グループステージのフランス戦で1得点を挙げているものの、出場した3試合はいずれも途中出場で、不完全燃焼だった。だが、その後が圧巻。横浜F・マリノスに戻ると13試合で8得点1アシスト。8月15日の第24節・大分トリニータ戦ではプロ初のハットトリックを決めている。
その大分戦の2点目ではミドルレンジからの華麗なループシュートを披露している。さらに10月1日の第31節の湘南ベルマーレ戦では、右からのセンタリングに合わせて逆サイドからゴール前にもぐり込み、だが足を止めてパスを受けるスペースをつくって呼び込んでから決めるなど、ゴールのバリエーションも増えている。
「でも、別に何も意識していないんです」
前田自身は無意識の絶好調というわけだ。
「小さい頃から自分が点を取れているときは、なんか入るな、という感覚でプレーできています。練習はいっぱいしますけど、何かをしたということはないんです」
練習があるからこそのひらめき。それをアウェー2連戦で存分に披露したい。
「負けられない戦いが続いている中で選んでもらったので、出たら結果にこだわらなければいけないと思います。ゴールという形で勝利に導きたい」
そのためには「自分の役割をまっとうするだけ。長所を存分に出していければいいと思っています」「与えられたところで結果を残していかないと代表に残れない。どこであろうと出たときには勝利に貢献することを心がけたい」とポジションや役割にはこだわらない。横浜FMでは左ウイングで出場することが多いが、1トップでもプレーするし、伊東純也、古橋亨梧、浅野拓磨とスピードスターも数多く選ばれているから、その共演にも期待が高まる。
「僕の特徴はある程度、知ってもらっていると思うので、細かいコミュニケーションを取って頑張っていければと思います」
ようやくたどり着いた日本代表の場所。ゴールと勝利へ、その俊足をかっ飛ばす。