日本代表FW浅野拓磨が、窮地を救う働きを見せた。カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦で、交代出場から勝ち越しのオウンゴールを誘発。ゴールパフォーマンスも忘れるほどの喜びを爆発させた。

上写真=交代出場で決勝のオウンゴールを誘発する活躍を見せた浅野(写真◎Getty Images)

■2021年10月12日 FIFAワールドカップ・アジア最終予選(@埼玉スタジアム 観衆:14,437人)
日本 2-1 オーストラリア
得点:(日)田中碧、オウンゴール
   (オ)アイディン・フルスティッチ

「ホッとというか、うれしいというか」

 MF南野拓実との交代で投入されたのは、1-1で迎えた78分。「絶対に自分が試合を決めるという気持ちでピッチに入った」という思いが実ったのは86分だった。DF吉田麻也のロングパスを受けて左サイドからエリア内に侵入し、思い切り良く左足を振り抜く。相手DFに当たってループシュートのような形になったボールは、GKに触られながらもゴールに向かい、右ポストに当たった後に相手DFに当たってゴールに吸い込まれた。

 公式記録ではオウンゴールとなったが、劇的なゴールが決まってベンチに駆け寄ると、交代で退いていたDF長友佑都をはじめチームメイトの祝福を受け、もみくちゃに。「ゴール内にボールが入ったときは、ホッとというか、うれしいというか」と振り返り、「(感情を)爆発させ過ぎて、ジャガーポーズをするのも忘れていました」と笑った。

 グループ2位以内でW杯に出場するためには、絶対に勝たなければいけない一戦。「僕らが崖っぷちにいることは全員が承知していること。だからといって誰一人あきらめている選手はいない」とチーム内の雰囲気を代弁し、それを体現する働きを見せた。とはいえ「今日は勝ち点3を取りましたけど、厳しい状況に変わりはない。全員が自分のチームに戻って、もっともっと成長して、代表のピッチで全員が、全力でプレーできるように頑張っていくしかない」と表情を引き締める。

 さらに「今日の1勝が、これからの日本の勢いになればいいと思いますが、誰一人、満足している選手はいない」とも指摘。「厳しい気持ちを持って、一人ひとりの成長に向けて頑張らないとW杯にはつながらないと思うので、そういう気持ちで挑んでいきたい」と今後のクラブでの活動を見据え、「日本代表のピッチでプレーできるように、自分のチームに戻って成長できるように頑張らないと」と静かに闘志を燃やしていた。


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