上写真=柴崎岳はサウジアラビアのテクニック、機動力、身体能力を警戒する(写真◎JFA)
「どれだけ挽回していくかにフォーカスする」
柴崎岳は、9月のワールドカップ予選では、約10カ月ぶりと久々の招集だったにもかかわらず2試合ともフル出場している。0-1オマーン、1-0中国。「1戦目の自分たちの失態を取り戻す最低限の結果だった」と、ホームでの敗戦から初勝利を手にした中国戦のあとに、そう振り返っている。
それから1カ月。いま改めて考えていることはあるが、心の中にとどめている。
「過ぎたことなので変えられない結果ですし、自分たちのしたことなので言及したくはないですね。よくなかった部分は確実にあるわけですが、まずはサウジアラビア戦でそこにどれだけフォーカスしていけるかだと思っています。個人的には過ぎ去ったことはしょうがないとして、どれだけ挽回していくかにフォーカスするべきだと思っています」
10月の2試合の「最低限」は、やはり2連勝ということになるだろう。7日にアウェーのサウジアラビアに勝って日本に戻り、12日にオーストラリアをたたく。グループBの2位と首位を連続でたたけば、一気に形勢逆転だ。サウジアラビアとは2019年のアジアカップで戦っているが、優れていると印象に残るポイントには、「テクニック」「機動力」「身体能力」を挙げている。
ただ、こちらがアウェーゲームだからこそ、狙い目はあると知っている。
「守備に関しては意識の部分でルーズなところも見受けられますし、集中力を最大限に保つ印象はないので、スキはあると思っています。アウェーなので先制点も大きなキーポイントになると思います」
ボランチには、9月の2試合でコンビを組んだ遠藤航のほかに、中国戦で合流した守田英正と、東京オリンピックのチームから「昇格」してきた田中碧も控える。これだけの人材が揃うのは心強いが、前回のワールドカップ最終予選でも2019年のアジアカップでもサウジアラビアと戦い、ロシア・ワールドカップでも主力だった経験値は圧倒的ナンバーワン。
経験がもたらすたくさんの引き出しの中から、まずはサウジアラビアのスキを突く「一撃」を取り出すつもりだ。