上写真=トレーニングで汗を流す原口元気(写真◎JFA)
W杯に出たくて仕方がないし、リベンジしたい
オマーン戦は、前半だけでピッチを退くことになった。その力を発揮したとは言い難い。所属するウニオン・ベルリン(ドイツ)との役割(ポジション)の違いに難しさを認めつつも、原口は「(そこが)課題だと思いますけど、僕のパフォーマンスに対して言い訳するつもりはない」と語り、次戦に向けて「改善しないといけないところはたくさんあります。戦術的にもコンディション的にも大きく改善しないといけない」と話した。
中でも、前提として重要になるのはメンタル的な部分になるという。「最終予選はいろいろなプレッシャーがかかる。W杯出場という大きなものがかかる中で、メンタル的な強さだったり、本当にW杯に出てプレーしたいという気持ちをどれだけピッチで表現できるかだと思う。前回の予選では、僕はそこをすごく表現できたと思っているので、精神的なことになるんですけど、もう一回、気持ちを乗せられるか、表現できるかということにフォーカスして、戦術的、フィジカル的なところを準備していきたい」。
メンタルの準備が全く足りなかったというわけではないだろう。ただ、オマーン戦の時点では前回のような「渇望」を示すことができなかった。原口は自戒を込めて言った。
「初心にかえることは大事だと思っています。W杯でプレーしたい、そういった思いに突き動かされた4、5年前と、そこから今はいろいろと経験して、経験したことはいいんですが、そこへの飢えみたいなものはやはり以前の方が強かった。それは自然なことだと思うんですが、でもそれだと自分の気持ちが乗ってこない。もちろん(W杯に)出たくて仕方ないし、(ロシアW杯で)ベルギー戦に負けて、もう一回そこに行ってリベンジしたいという思いは強い。その熱みたいなものをどれだけよみがえさせられるかだと思う。そこは自分の気持ちの部分でのポテンシャルだと思っています。それがなければ、試合に出ない方がいい。それは自分にはまだまだたくさんあると思っているし、十分に日本代表のために熱くプレーできると思っているので、もう一度、試合に向けてその気持ちをどんどん出していきたい。次の試合に向けて自分の気持ちをコントロールして向かっていきたい」
チーム内での立場も、選手としての経験値も、前回の最終予選のときとは違う。けん引車として期待される自身の役割を理解しつつも、「一番説得力を持つのは言葉ではなくピッチ上のパフォーマンスだと思います。ピッチにすべてが詰まっている」と語り、プレーでチームを引っ張ると誓った。前回予選では4試合連続ゴールを決めるなど文字通り、大車輪の活躍でチームをW杯出場に導いた。あの時と同じように心のギアをトップに入れて、熱い気持ちで戦えるか。
「ここで何を言おうと、チームメイトに何を言おうと、ピッチで起こることに勝るものはないと思っています。僕たちにはそれを表現する使命がある」
原口はピッチで、結果で、自分自身の「熱」を示す。