上写真=日本のエースとしての重責を担う南野拓実。まずはミャンマーに勝って2次予選突破を決める(写真◎小山真司)
「結果には満足はできていない」
リバプールとサウサンプトン。イングランドのプレミアリーグで、2つのクラブでプレーしたシーズンが終わった。リバプールで9試合1ゴール、サウサンプトンで10試合2ゴール。
「移籍もあって、自分としてはいろいろなことがあったシーズンで、すごく刺激にもなりましたし、充実したシーズンだったなとは思っています」
ただ、合わせて3ゴールには納得がいっていない。
「結果には満足はできていないので、来シーズンに悔しい気持ちはまたぶつけられればいいかなと思います」
2月20日のチェルシー戦で決めたゴールが、2月のリーグ最優秀ゴールにノミネートされるなど、インパクトは残した。だが、納得のいく数字ではない。
「攻撃の部分で前を向いてゴールに向かっていくプレーや、強引にシュートに持っていく部分、あとは数字、ゴールやアシストのところで、もっと結果を出せるようにしていく必要があるなと思いました」
少しでもナイーブなところを見せれば、世界最高峰のリーグで存在を示すことはできない。
「移籍してから試合に関わる時間が増えて、試合を重ねるごとに自分の良さというのを出せた手応えはあります。例えばゴールに向かってプレーする部分であったりとか、ターンからシュートとか、タイミングよくフォワードの空けたスペースに入っていくところであったりとか、そういう部分は手応えを感じることができました」
プレータイムはリバプールでは242分で、サウサンプトンでは717分。およそ3倍に伸びている。その分だけプレーの実感がどんどん増えていったと振り返る。そしてもう一度「強引」を口にするのだ。
「あとは後ろ向きでボールを受けたときに、強引にでも前を向く部分であったりとか、チームメイトと連係して崩すシーンだったりとか、そういうところはもっと自分が良くしていかなければいけないと思っています」
「何よりも勝利することが一番重要」
その経験を積極的に日本代表に落とし込む3週間が始まった。
「森保監督が求めていることを代表で生かせるかどうか、というよりは、リーグで自分が感じた手応えや強度の高さ、そういう部分を代表で出していければいいかなと思います」
サウサンプトンではFWでもプレーしていて、日本代表でも1トップの経験もある。前線のオールラウンドプレーヤーとしてのセンスは頼もしい。
「フォワードでも、右でも左でもプレーすることに対して、サウサンプトンのフォーメーションではそんなに違和感はなかったですし、やりにくい感じはなかったです」
「どのポジションで出たとしてもチームのためにプレーするだけですし、もしフォワードでプレーすることがあれば、そのときに求められる部分を自分で理解してプレーできればいいかなと思っています」
5月28日のミャンマー戦で勝てば、ワールドカップ2次予選を突破できる。
「1試合でも早くこの予選を突破することが一番重要だと思います。親善試合ではないので、何よりも勝利することが一番重要かなと思っています」
相手に関わらず、勝利という結果が最優先だ。
「どうなるかは分からないけれど、ボールを握って進む展開が多くなるんじゃないかなと思っています。そのときに重要になってくるのは自分たちの距離感であったり、引いて守る相手に対してどうやって攻めるかが自分たちのテーマになるんじゃないかなと思っています」
勝つこと。自分たちの戦いを突き詰められるかということ。そのために南野は、自分自身に課した「強引」を表現してみせる。