上写真=昨年10月のコートジボワール戦に出場したシュミット・ダニエル(写真◎Getty Images)
ベルギーでの2020-21シーズン。「最低限の仕事はできた」
ベルギーの地で切磋琢磨する長身GKが、ある目標を胸に秘め、帰国した。それは、5月28日にフクダ電子アリーナで行なわれるワールドカップ・アジア2次予選のミャンマー戦に出場することだ。
「まだワールドカップ予選に出場していないので、そこに出場することも今回の代表活動の一つの目標です。エイジさん(川島永嗣)もいるし、コウスケ(中村航輔)もいます。2人との競争に勝って、その試合に出る権利を得なければいけないので、まずは練習でしっかりとアピールできるように1日1日を頑張りたいと思っています」
シュミット・ダニエルにとって自身初となる舞台に立つために、一つしかないレギュラーポジションの座を川島、中村と争う。前者はフランスで、後者はポルトガルで日々、その能力を磨いているが、シュミットも負けてはいない。今季はシントトロイデンでリーグ戦24試合に出場。「(1部リーグに)残留することの手助けとか、最低限の仕事はできたかな」と手応えも得た。
それでも、今季について「満足はしていない」とも話す。「キーパーはチームを勝たせるポジションだと思うので、そういう意味ではまだまだ勝ち数が少ない」と、チームの成績には反省しきり。「チームを勝たせるという面で、キーパーとしての仕事ができているかといったら、まだまだできていない部分が多い」と物足りなさも感じている。
だからこそ、ヨーロッパのシーズンは終わったばかりだが、ここからまた、さらなる成長を目指していく。日の丸を背負って戦う5月、6月の代表活動期間が、新たなステージへの出発点ともなるのかもしれない。
「(代表合宿期間は)毎日、刺激的な練習が待っていると思うし、本当に1日1日、成長できるチャンスだと思います。まずは毎日の練習で“こういうところを意識していこう”ということから1日をスタートさせて、それを練習で実行する。そして、その日にできたかどうか、というようなフィードバックをしながら、1日1日を過ごしていければいいかなと思います」
29歳の守護神はサムライブルーの勝利と自身のレベルアップを見据え、静かに闘志を燃やしている。