ナンバー10の調子は上々だ。南野拓実はこの冬、リバプールからサウサンプトンに戦いの場を移して試合出場の時間を増やしている。チェルシー戦では鮮やかなゴールを決めるなど、上り調子のいま、日本代表を牽引していく。

上写真=サウサンプトンへの移籍でプレー時間を得ている南野拓実。調子は上向きだ(写真◎サッカーマガジン)

「相手にとって怖い選手であるために」

 いかにピッチの上で長くプレーするか。やはり選手にはそれが必要だ。

 南野拓実もその一人。この冬にリバプールから同じイングランドのプレミアリーグ、サウサンプトンにローン(期限付き)で移ると、最初の試合でいきなりゴールを決める最高の船出。

「僕は単純に試合に出場したかったし、自分の力を証明したかったので、オファーが来たときにこの機会を使いたいと思いました。シーズンが終わってから、その決断が良かったと思えるようにしたいと思っています」

 出場3試合目の強豪チェルシー戦では、語り草になるゴールが生まれた。33分、中央で抜け出したところに最高の縦パスが入り、足元にぴたりと止めると、シュートフェイントで相手DFとGKに2人まとめて尻餅をつかせて無人のゴールに蹴り込んだのだ。

「継続的に試合に出ることによって自分のリズムをつかめるようになってきたし、自分の良さを出せる部分が増えてきていると思います。選手にとって一番重要なのは、試合に出続けることなんだなと感じましたね」

「プレッシャーは常にかかっていますけど、確かに出場時間が増えている分、ゴール前のプレーは増えているし、そこの慣れはゴールを奪う上で重要です。リバプールにいたときよりゴール前でのリズムは取り戻しつつあるし、良くはなっているところの一つかと思います」

 その感触の良さはそのまま日本代表のためにもなるだろう。久々の日本でのプレーで、自然とチームの中心になっていく。

「それなりに試合に出ている感覚はありますし、今回は国内組の選手も多くて初招集の選手も多い中で、いままで呼ばれている選手が中心になってチームを引っ張っていかなければいけない部分はあると思います。でもそれを特別すごく意識しているわけではないですけど、そういう部分は重要なんじゃないかなと思ってます」

 自然体リーダーだ。

 25日に戦う韓国は、フル代表では初めての対戦になる。

「いろいろな意味で注目度が高い一戦で、どういう状況であれ、日韓戦は重要だと理解しています。A代表では初めての日韓戦で重みが全然違うと思いますし、僕自身も何よりも結果が大事な試合と理解しているので、いい準備をしたいと思います」

 背番号も引き続き「10」を背負い、身も引き締まる。やはり攻撃面での効果的なプレーに期待が集まる。それはよく分かっている。

「ゴールをしたりアシストという結果を出すことだったり、いいポジショニングを取ってターンからシュートとか、攻撃のつなぎ役になるとか、相手にとって怖い選手であるためにどうすればいいかを考えてプレーしたいと思っています」

 代表で言えば、直近のゲームは昨年11月のメキシコ戦。地力の差を見せつけられて0-2で敗れた。

「メキシコ戦は前半にチャンスがあった中で決めきれず負けてしまって、ワンチャンスを決める重要さはみんなが共有して考える部分だと思います。自分は特に攻撃の選手ですし、そういう部分にこだわっていかなければいけないと思います。ワールドカップではそういうことが物を言うと思うので、今回の2試合でもそこにこだわってやっていければと思っています」

 迎えたチャンスのその瞬間、南野の研ぎ澄まされた集中力を見逃してはいけない。


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