11月13日のパナマ戦でフル出場。三好康児が印象的なプレーを連発した。日本代表が挑む11月シリーズでシャドーの一角に入ってチャンスを演出、1-0の勝利に貢献した。本人が得た確信、そして後悔とはどんなものだったのだろうか。

上写真=軽やかにプレーするのが三好康児の魅力。センスたっぷりのアタックを見せた(写真◎Getty Images)

久保建英とは「僕も似ているところを感じます」

 10月、11月で2試合ずつ戦う日本代表の強化活動で、三好康児は10月は試合に出場するチャンスを与えられなかった。パナマ戦で先発のチャンスが巡ってくると、10月の分もとばかりに駆け回った。

「コパ・アメリカでA代表の舞台に立たせてもらいましたけど、いろんな選手がいる中でヨーロッパの舞台でやらせてもらえるというのは自分の中で初めての試合だったので、そこにかける思いは強かったです。この舞台で自分のパフォーマンスを出すことがこの先につながっていくと思って、そこは気持ちを持って試合に挑みました」

 コパ・アメリカは若手を多く含む陣容で戦ったので、いわばフルメンバーに近い中で出場したのが初めてとなった。その意味では実質的な「初キャップ」かもしれないが、堂々としたプレーぶりはとても印象的だった。

 3-4-2-1のフォーメーションで南野拓実の後ろに久保建英と並ぶシャドーのポジションが与えられ、A代表では初めてフル出場を果たした。右からカットインして得意の左足でパスやシュートを放ち、あるいはゴール前に斜めに入っていってフィニッシュにかかるアクションで相手を脅かし続けた。

「お互いの動きをもっとしっかり見る部分は必要ですし、昨日やっていろんな形を作って手応えあるシーンもありました。それを継続してやっていく中で、今回南野拓実くんとは初めてプレーしてみて、その中ではいい部分が出せたと思うし、常に自分を見て動いてくれる選手なので、自分も味方を見れば合わせていけるという確信を得ました」

 久保とはコパ・アメリカでも一緒に戦ったが、その久保は南野と三好との関係について、どちらも自分と似ているタイプでやりやすいと話していた。三好はどうだろう。

「感覚の部分で、ボールを持ったときにどんな狙いを持っているかというのは分かりやすい選手だと思います。僕も似ているところを感じているので、連係は取りやすいですね。だからこそ、結果で示したかったのが一番です」

 三好が右からドリブルで入っていって、左の久保に渡し、ループパスで南野を裏に走らせた38分のシーンは象徴的だろう。「味方を見れば合わせていける」「連係は取りやすい」という言葉が腑に落ちる。

 右のシャドーが主な持ち場だったから、右のレーンを使って崩すことも役割の一つだった。そこで大事になるのが、右アウトサイドに入ったのは室屋成との連係。

「昨日のやり方だと、自分が少し引いてボールを受けて(3バックの右に入った)植田(直通)くんからボールを引き出して、成くんに高い位置を取ってもらう方が効果的だと思っていました。練習の中から成くんが受けるのか自分が受けるのかの動きについて話していましたし、試合の中でもコミュニケーションを取れてやっていました。もっと2人で崩すシーンができればよかったのかなと思いますけど、そこの関係はできていた部分はあるのかなと思います」

 そんな手応えを得たからこそ、悔やむ気持ちはあのシーンに集約されていく。90+2分の絶好機だ。

「一番の課題は決定機を作り出すところの最後の精度の部分、それからシュートですね。最後にビッグチャンスがありましたし、決めきる力が足りていないと思いました。自分が点を取ればもっと楽に試合を終わらせられましたし、そこが一番の課題だと感じました」

 中盤で右から左に展開していく流れの中で、右サイドであえてゆっくりと上がっていった。ボールに近づいていく日本の選手たちに相手が引きつけられると、三好はフリーになった。原口元気はそこを見逃さなかった。左サイド、ペナルティーエリア手前から中央を横切るようにパスを送った。

 三好は完全にフリーになって、ペナルティーエリアに入ってすぐのところから左足でワンタッチでフィニッシュ。しかし、横に飛んだGKにセーブされてしまった。

「受けるところまではイメージ通りでしたし、置くところまでもそうでした。最後はもう少しシュートの部分で工夫すべきだったのが反省点で、あそこで決めるか決めないかは自分の実力次第というか、あとで考えれば『ああしておけば…』と思いますが、あの位置に行ったらもう決めるか決めないかだけです。瞬間でしか自分の判断は下せないので、後悔はありますけど、またチャンスを作って決めきることに改めてフォーカスしていきたい」

 感性の合う仲間とのコンビネーションで得た手応えと、フィニッシュでの後悔。それが未来の三好の糧になっていく。


This article is a sponsored article by
''.