2011年の女子ワールドカップ(W杯)で世界一に輝いた、なでしこジャパンの現地ドイツでの軌跡を追った週刊サッカーマガジンの連載「日々野真理のなでしこ観察日記」が、19年女子W杯、23年女子W杯に続いて復活! シーズン4としてAFC女子アジアカップの戦いに密着していた連載も、今回が最終回です。6大会連続でW杯中継のインタビュアーを務めるなど、女子サッカーを長年取材してきた筆者が、感動の優勝への舞台裏を綴ります!

上写真=表彰式が終わったピッチ脇で。選手の皆さん、優勝おめでとう! 感動をありがとう!(写真◎日々野真理)

宮本会長が語った環境改善

 なでしこジャパンは3月15日の準々決勝に勝ち、来年ブラジルで開催される女子W杯への出場が決定。翌16日、このチームの大切な戦力で、選手たちのコンディションを支える西芳照シェフの共同取材が行なわれました。

 還暦を迎えた2018年、ロシアW杯のときに男子の日本代表チームからプレゼントしてもらったという真っ赤なコックコートで現れた西シェフ。海外でプレーする選手が多い、なでしこジャパンの選手たちは、特に大会序盤は日本食に大喜びしていたそうです。

画像: 鮮やかな赤のコックコートで笑顔の西シェフ。日本代表に欠かせない存在です

鮮やかな赤のコックコートで笑顔の西シェフ。日本代表に欠かせない存在です

「(大会期間中は)食欲が落ちないように、かつ栄養補給ができて、疲労が取れるような感じで作っているつもりです。女子は体が小さい選手でも、よく食べていますね。男子と同じくらいか、それ以上に食べる選手もいます。だから動けるんでしょう。今日からは甘酒を用意しますよ」と優しい笑顔。どんな国に行っても、地元の食材を使いこなすプロ中のプロ。選手たちのコンディションの良さも、西シェフの細やかな配慮やメニュー構成のおかげです。

「W杯出場が決まったのはよかったです。でも大会はここから。次も勝って決勝に行きたいですね!」。選手とともに優勝を目指す意気込みを語っていました。

画像: 大会期間中の食事を用意している西シェフ。試合前に食べるうどんをゆでています(写真◎JFA/PR)

大会期間中の食事を用意している西シェフ。試合前に食べるうどんをゆでています(写真◎JFA/PR)

画像: 選手たちもリラックスした表情。食事も大会を勝ち抜くための重要な要素です(写真◎JFA/PR)

選手たちもリラックスした表情。食事も大会を勝ち抜くための重要な要素です(写真◎JFA/PR)

 18日、準決勝の韓国戦は多くの韓国サポーターがスタンドを埋める中での試合となりましたが、FW植木理子選手の4試合連続得点を皮切りに、MF浜野まいか選手、DF熊谷紗希選手、さらにFW千葉玲海菜選手が決めて4-1で勝利。大会初失点はあったものの、強さを見せつける結果となりました。

 翌19日の練習には、準決勝からシドニー入りしている日本サッカー協会の宮本恒靖会長の姿が。昨年から宮本会長体制で取り組んでいる、なでしこジャパンの環境改善について話を聞くことができました。

 主な改善点は、これまで遠征時の宿泊が2人部屋だったのを1人部屋にしたこと、飛行機移動の座席をビジネスクラスにしたこと、トレーナーの2人体制から3人体制に増やすことなど。これらは、宮本会長が就任時から掲げている3つのテーマ(ゴール)の『競技面の成果』『女子サッカーの拡大』『商業価値の拡大』につながるものです。

 さらに「なかでも女子サッカーの拡大には、なでしこジャパンの存在が欠かせないので、そこを引っ張り上げてもらう」との思いが。「もう一度W杯で優勝してもらうために、彼女たちの要求に応えるし、彼女たちには、こちらの求めるものに応えてもらえるように。プロとして結果につなげてもらうための環境改善には、取り組んでいきたいと考えています」と今後のビジョンを語っていました。

画像: 準決勝から現地入りしていた宮本会長。女子サッカーへのサポート体制の充実を図っています

準決勝から現地入りしていた宮本会長。女子サッカーへのサポート体制の充実を図っています

 これについて熊谷選手は「選手が求めて、協会側が応えてくれている。であれば選手としては結果を出すことが一番の責任だと思うし、結果を出すからこそ、もっともっと、と言えることもあると思います」とコメント。2011年の女子W杯優勝メンバーとして「私自身、長く日本代表にいて、2011年とは比べ物にならないくらい環境や待遇は良くなっているし、その変化には本当に感謝しています。あとは選手が、もっとそれに応えなければいけないと思っているので、この大会もタイトルという形で責任を果たしたい」と、自分たちの勝利こそが未来の女子サッカーを変えていくという覚悟をにじませていました。

 宮本会長は「もっともっと、なでしこジャパンのブランド力を上げていきたいし、そうすることがWEリーグ、女子の高校選手や皇后杯の価値の向上、女子サッカーの強化につながると思います。女の子たちがサッカーをやりたい! と思い、受け皿があって、その子たちがサッカーを続けていけるような環境は全部つながっている。時間がかかったとしても、整えていく必要はあると思います」とも語っています。これまでの女子サッカーの良いところは継承しつつ、次のフェーズに進めていきたいという思いを感じました。


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